兵庫県保険医協会

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学術・研究

医科2017.09.30 講演

[保険診療のてびき]
褥瘡・下肢難治性潰瘍治療の最新情報〜在宅医療でできること、病院でできること〜

加古川中央市民病院 形成外科主任医長  岩谷 博篤先生講演

はじめに
 超高齢化や寝たきりにより褥瘡の悪化した患者さんや、糖尿病・動脈硬化症などが原因で下肢難治性潰瘍を生じた患者さんにより良い治療を行うためには、在宅医療の現場と病院とのより良い病診連携が欠かせません。地域の先生方や、医療者の皆さんが褥瘡や下肢難治性皮膚潰瘍の治療に取り組む際に、まずどのような治療が在宅でできるのか、どの段階で患者さんを病院へ紹介するのか、さらに紹介先の病院ではどのような治療ができるのかについて、加古川中央市民病院形成外科・岩谷博篤と皮膚・排泄ケア認定看護師の丸山看護師・橋本看護師にて、上記の内容で、お話をさせていただきました。
褥瘡・創傷とは何か
 まずは、キズとはそもそも何かということで、褥瘡を含めた創傷について説明させていただきました。創傷は大きく分けて急性創傷・慢性創傷に分けられます。それらの違いと、キズが治るとはどういうことか(創傷治癒機転)について説明し、褥瘡の発生・ステージ分類などにも言及しました(図、表1)。
 次に、創傷の局所治療についてTIMEの考え方に沿って説明しました。TIMEとは局所治療の要点を英語の頭文字四つで表したもので、T(壊死・不活性組織管理)・I(感染・炎症管理)・M(浸出液管理)・E(創辺縁の管理)の4項目からなります。特に、M(浸出液管理)については、湿潤療法や、被覆材および軟膏治療の内容にも関わってくるため、詳しく説明させていただきました。さらに、局所持続陰圧療法についても、お話しさせていただきました(表2)。
 三つ目に、褥瘡・下肢難治性潰瘍の予防について述べました。褥瘡予防については体圧分散の基本的な考え方から、マットレスやクッションといった体圧分散器具の種類と使用について、さらに体位変換について説明し、下肢難治性潰瘍においては、装具師による装具作成の様子も見ていただきました。
難治性潰瘍の治療
 ここで、形成外科で実際どういった状態の患者さんをどのように治療していくかについて説明しました。実際の臨床では、動脈性・糖尿病性の難治性潰瘍だけでなく、静脈性の難治性潰瘍(静脈瘤)・リンパ浮腫・褥瘡・その他の難治性潰瘍を扱うことが多いです。そのため、それぞれについて、手術的な治療と考え方について実際の症例写真を提示しながら説明いたしました。
 最後に在宅医療との連携の内容を述べました。
 その後、丸山看護師・橋本看護師から、褥瘡と下肢の難治性潰瘍の患者さんについて、病診連携を行って状態が改善したという実際の症例の提示を行いながら、病診連携について説明をしていただきました。
(9月30日、加古川・高砂支部在宅医療研究会より)
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