兵庫県保険医協会

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学術・研究

医科2018.07.14 講演

[保険診療のてびき]
アレルギーで困った症状の診療と診断のコツ(2018年7月14日)

兵庫県立加古川医療センター 地域医療連携部長兼診療部皮膚科部長  足立 厚子先生講演

 アレルギー性皮膚炎症を診た場合、まず湿疹なのか膨疹なのかを見極める必要がある。紅斑だけではなく、丘疹、小水疱、膿疱、湿潤、痂皮など湿疹三角の病変がある場合は湿疹である。
湿疹治療のポイント
 湿疹の場合、接触皮膚炎(かぶれ)として、ステロイド外用剤など外用療法をしっかり行うと同時に、それで治らない場合には、かぶれの原因が隠れている場合があるため、パッチテストを行う。パッチテストはアレルゲンを載せたチャンバーを2日間上背部に貼付し、剥がした後、1週間までの判定をする。
 本邦のパッチテスト陽性率の推移を表1に示す。現在1位はニッケルで特に女性の陽性率が高い。上位10位のうち、金属アレルゲンはコバルト、金、水銀、クロムの五つが含まれ、重要である。
 金属アレルギーには接触部位に皮膚炎を起こす接触アレルギーのみならず、歯科金属や食物から微量金属が体内に吸収されて汗疱状湿疹などを起こす全身型金属アレルギーがある(図1)。後者の場合で、ニッケルが陽性の場合、ニッケルなどを多く含む食品の摂取を控えることでよくなる場合がある(表2)。
膨疹治療のポイント
 一方湿疹ではなく膨疹ならば血管の浮腫性変化であるので治療は抗アレルギー剤の内服からスタートする。血管性浮腫には、遺伝性と後天性があり、後天性ではACE阻害剤、ARB、酸性系解熱鎮痛剤が原因であることがある。
 慢性蕁麻疹の検査法としては、表3に載せた方法があるが、原因不明の場合も多い。即時型アレルギーの原因究明は、特異的IgEの血液検査を実施する方法と、アレルゲンを皮膚に載せてプリックテストを施行し15分後に判定する方法があり、食物では後者の方が鋭敏である。
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎
 従来の食物アレルギー以外に、経皮感作による食物アレルギー、交叉反応性反応による食物アレルギーがある(図2)。ハンノキ花粉症の患者が交叉反応からバラ科食物(リンゴ、もも、梨など)に対する口腔アレルギー症候群(OAS)をおこす花粉食物アレルギー症候群(PFAS)の症例が増加している。
 アトピー性皮膚炎では、しっかりとした外用療法の指導が基本である。生活の中に増悪因子が隠れていることが多いので、問診や食事生活指導が重要である。
(7月14日、加古川・高砂支部研究会より、小見出しは編集部)

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