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学術・研究

歯科2017.06.11 講演

歯科定例研究会より
「くすり・検査値」がわかれば全身が見える ㊦
おくすり手帳・血液検査データから全身状態を推知する

医療法人明和病院 歯科口腔外科 部長  末松 基生先生講演

(前号からの続き)
D)骨粗鬆症治療薬(表6,7)
 顎骨壊死起因薬剤としてはBP製剤と抗RANKL抗体製剤、さらにはがん治療に使用される数種の分子標的薬が考えられている。注射薬はおくすり手帳に載らないが、デノタスが処方されていたら必ずランマークもしくはプラリアが使用されている。リクラストはゾメタと同成分の新薬である。厄介なのはプラリアが半年、リクラストが1年毎の投与になる点で、患者も忘れていることが多く問診に注意を要する。
 現在のリファレンスとしては2014年版の米国口腔顎顔面外科学会ポジションペーパー、本邦の顎骨壊死ポジションペーパー2016が妥当である。
E)消化器系薬(表8,9)
 PPIとH2ブロッカーはエステル化セフェム(フロモックス・メイアクト・トミロン・バナン、etc)の吸収を減少させる。非エステル化セフェムにはセフゾンがあるが嫌気性菌をカバーできない。ペニシリン系ではペングッドがエステル化剤なので影響を受ける。
F)がん治療薬(医科歯科連携に必須のがん治療の知識)(図、表10〜15)
 医科入院のDPC化に伴い、外来化学療法が急増したことで様々な固形がんの導入・補助化学療法中の患者が歯科医院に訪れるようになった。対応のポイントは骨髄抑制と口腔粘膜炎でありナショナルテキストによる講習が全国で実施されているが、欠落している部分、すなわち臓器別固形がん・血液がんの概要と治療トレンド、および歯科医院での注意点とその根拠について周術期口腔管理の実例を元に講演で述べた。
おわりに
 地域包括ケアが政策通り進めば歯科医師に対する社会の要求はかなり高度化することになる。1.有病者口腔管理を主体とする医院内での医科歯科連携、2.在宅口腔管理を主体とする地域包括現場での医科歯科連携、の二刀流をこなせる歯科医師の評価が高まることが予想され、これは大きなマーケティング成功要因であると同時に、潮流を逃すと「蜘蛛の糸」を切られるがごとく苦境に立たされる可能性もある。
 歯科医師は今後、患者だけでなく医療系多職種からジャッジを受ける立場に変わることを念頭に置いて質の向上に努めるべきであろう。
(6月11日、歯科定例研究会より)

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