兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2010年11月15日(1639号) ピックアップニュース

燭心

6月、鳩山前首相は沖縄米軍の海兵隊について「学べば学ぶほど『抑止力』として重要」と述べたことをきっかけに首相を辞任した。8月、菅首相は広島・長崎の平和式典出席後、記者会見で「米国の核『抑止力』はわが国にとって引き続き必要」など核抑止論を展開し多くの人々を驚かした。10月、核なき世界を唱えるオバマ米大統領が核実験を実施。「核兵器が存在する限り核による『抑止力』は持ち続ける」と▼うんざりする理論構成だ。この力関係で真の平和が生み出されたことが、かつてあったか。銃社会の米国、理由の第一は護身とか。〝私は武器を持っています。私に危害を及ぼすならば攻撃します〟まさに『抑止力』だ。しかし実際に発砲の原因の一番は喧嘩だそうだ。誰もが傷つく『抑止力』という言葉には魔物が棲むか▼このようなときは発想を変え、『抑止力』で得をする者がいるのかどうか考える。大勢いそうだ。まず武器弾薬を作る者とそれを売りさばく者、平和・正義のためと戦争を起こし国民に兵役を課す者、常に戦争ができるよう敵国をでっち上げる者、「もし攻めてこられたら」等々扇動する者▼一市民一国民の視線に立って考える。〝国を守る〟ということ〝正義のために人を殺すこと〟つい最近大きく反省したではないか。二度とこのようなことは繰り返さないと。文化の日、すなわち11月3日は不戦平和を誓った現行憲法が公布された日。『抑止力』の呪縛から解き放たれる日だ(無)

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