兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2011年4月25日(1653号) ピックアップニュース

「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会がシンポ タバコの害、歯科から訴え

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医科・歯科の医療関係者が集まり禁煙指導などについて議論を交わした。浜本衆院議員(右下)もかけつけ、あいさつした(4月17日、協会会議室)

 「保険でより良い歯科医療を」兵庫県連絡会(以下、連絡会)は4月17日、市民シンポジウム「みんなが知らないタバコの害~歯科からの発信」を開催。医療関係者や市民など60人が参加した。国会で禁煙推進議員連盟の事務局長を務める浜本宏衆院議員が来賓参加し、あいさつした。

 パネリストは長田区・福井クリニックの福井俊彦先生と、東灘区・たかぎ歯科医院の高木景子先生が務めた。
 福井先生は「明らかになったタバコの正体と新しいニコチン依存症治療」と題して講演。「タバコの煙には7千の化学物質、70の発がん物質が含まれる」として、WHO(世界保健機関)によれば、タバコが原因で世界で年間540万人が死亡していると警鐘を鳴らした。一方で、禁煙専門外来では、85%以上が禁煙に成功しているとし、医学的なアプローチによるニコチン依存症の克服が可能であることを示した。
 高木先生は「お口の中で見てみよう! タバコの影響、禁煙の効果」と題して、禁煙前と禁煙後の口腔内の写真を示し、喫煙が歯周病の最大のリスクであることを解説した。喫煙による弊害を見ることのできる唯一の器官が口腔であるとし、歯科での禁煙指導の重要性を訴えた。
 神戸常盤大学短期大学部教授の足立了平先生がコーディネーターを務めたディスカッションでは、会場からの質問に答える形で、歯科での禁煙指導が保険収載されていない問題や、タバコをやめられない人はニコチン依存症という病気であり、本人の意志の弱さを責めるのは誤りであることなど、活発な議論が交わされた。

宮城県内避難所に歯ブラシ千本提供

 協会が実施した4月9・10日の東日本大震災被災地医療支援(詳細兵庫保険医新聞1653号2面)で、連絡会を代表して加藤擁一協会副理事長(連絡会世話人)が、宮城県名取市の避難所に歯ブラシ千本を提供した。
 17日のシンポジウム前にも、元町商店街前で被災地に歯ブラシを送るための募金活動が行われた。シンポジウムでは、神戸常盤大学短期大学部の高藤真理助教から東日本大震災救援活動の報告が行われた。

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