兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2011年5月25日(1655号) ピックアップニュース

第79回評議員会 震災復興・社会保障拡充を決議 復興口実の負担増許すな

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各支部・専門部から震災に関する
発言が多数出された

 協会は5月15日に協会会議室で、第79回評議員会を開催。評議員や理事ら91人が参加した。6月19日に行われる第43回総会に提出する2010年度会務報告と11年度活動方針・予算案、新役員案を承認。東日本大震災の全被災者の医療費一部負担金免除や全被災医療機関再建への公的支援の実施などを求める決議を採択した。

 池内春樹理事長は開会あいさつで、「今年は国民皆保険制度ができて50年。今こそ、憲法13条の幸福追求権、9条の戦争放棄、25条の生存権を思い出すとき」と強調。「診療報酬や介護報酬は国民医療・介護の質を担保するもの」として来年の改定での引き上げを求め、「震災を理由にした社会保障制度改悪に断固反対しよう」と参加者に訴えた。
 質疑応答・討論では、16の支部・専門部から発言があり、東日本大震災に関連する内容が半数を占めた。
 北阪神支部の谷口紀善評議員は、震災を口実にした社会保障改悪を阻止するよう提起。西宮・芦屋支部の大森公一理事は、震災後に対策本部を立ち上げた同支部の取り組みを報告。歯科部会の井尻博和評議員は、宮城県内の各避難所で行った歯科医療支援活動について報告した。
 また、組織部の池本恒彦理事は、「一番身近に、一番親身に」の協会サービスを打ち出した「春の組織強化月間」への協力を呼びかけた。反核・平和運動部の林祐介副理事長は、沖縄県民への新基地や騒音被害の押しつけ反対を訴えた。

中村哲氏が記念講演

 記念講演では、ペシャワール会現地代表・PMS(ピース・ジャパン・メディカル・サービス)総院長の中村哲医師が「アフガンの大地から観る明日の世界と日本」をテーマに、アフガニスタンでの医療活動や、飲料・灌漑のための井戸・用水路事業の取り組みについて語った。会場いっぱいとなる市民ら430人がつめかけた。
 中村医師は、「アフガニスタン人の99.9%は、数十円、数百円のお金がないため薬が買えず死んでいくような人々。これらの人々のことが伝えられていない」と述べ、アフガニスタンの現状を紹介。現地での様々な支援活動について、「住民と一体で行ってきたことが最大のエネルギー。アフガン人が何千年と続けてきたことを守っていくことが一番のアフガン復興だ」との思いを述べた。

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