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兵庫保険医新聞

2011年10月15日(1668号) ピックアップニュース

9・22国会要請 東日本大震災 復旧費補助金の対象拡大へ 休日歯科診療所を追加

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厚労省交渉を行う保団連役員ら(奥)

 被災全医療機関救済へ一歩前進--。東日本大震災で被災した医療機関への「医療施設等災害復旧費補助金」の対象に休日歯科診療所を加えることが、9月22日の保団連・厚労省交渉で明らかになった。8月に行われた国民新党、新党日本、厚労省との懇談で、兵庫協会・保団連は、休日歯科診療所が対象外であることの不備を、資料を元に指摘していた。この日の国会要請行動には、兵庫協会から加藤隆久理事ら4人が参加した。

兵庫協会・保団連の指摘認める

 保団連・協会は、「社会保障・税一体改革」の見直しと窓口負担増の撤回、東日本大震災の全被災医療機関再建への公的支援などを求め、国会行動・厚労省交渉を実施した。
 厚労省交渉で、保団連は「医療施設等災害復旧費補助金」の対象が政策医療を行っている医療機関に限定されていることについて、被災した全民間医療機関の復旧・復興に向けた公的助成の実現を要請。厚労省は「『政策医療』は譲れない一線。全て補助することは無理だ」と、従来からの立場を繰り返したが、輪番で休日診療を行っている歯科診療所については、協会・保団連からの資料提供も参考にした結果、新たに対象とする方針だと表明した。
 この問題では、8月24日に行われた兵庫協会・保団連と国民新党、新党日本、厚労省との懇談で、兵庫協会が「休日歯科診療所が国の救急医療事業に組み込まれているにもかかわらず、対象になっていないのはおかしい」と指摘していた。
 そのほか兵庫協会から、政府の被災者向け「生活再建ハンドブック」は、医療費の免除措置にかかわる記述が極めて不十分であると指摘し、厚労省の姿勢を厳しく批判した。

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山下参院議員(写真上:右)、
田村参院議員(写真下:中央)に
加藤兵庫協会理事(写真上:左)、
市川誠保団連理事(写真下:右)が要請した

2議員と懇談

 議員要請では、田村智子参議院議員(厚生労働委員・共産)、山下芳生参議院議員(共産・近畿比例)と面談した。
 田村議員は、「『社会保障と税の一体改革』は、国民にさらなる負担を押しつけ、社会保障給付を削減しようというもの。大企業・大資産家に応分の負担を求めることで、社会保障の充実は可能」と応じた。
 山下議員は「民間医療機関が立ち上がることは社会インフラとして最も重要。民間医療機関を含め全ての医療機関が再建に向けた公的助成を十分に受けられるよう、党として全力で取り組む」と決意を述べた。
 加藤理事は「阪神・淡路を経験した者として、当時歯科の医療機関が公的助成の対象から外されたことは痛恨。助成実現のために力を貸していただきたい」と強調した。
 協会・保団連は、さらに全医療機関への対象拡大を求めていく。

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