兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2011年11月15日(1671号) ピックアップニュース

第20回日常診療経験交流会に236人 「皆保険50周年」「被災地医療」テーマに 医療再建 被災地とともに

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(上)睡眠障害をテーマにした
医歯薬交流企画 (下)被災経
験を語る被災地の病院長ら3氏

 「阪神・淡路」被災地から東日本大震災の被災地医療を考えよう--。協会は10月30日、県農業会館で「医療への情熱を未来へつなぐ~国民皆保険50周年を知っていますか」「被災地の医療を考える」をメインテーマに第20回日常診療経験交流会を開催。特別分科会では東日本大震災被災地から医師・歯科医師を招き、復興に向けての課題を共有した。医師・歯科医師やスタッフら236人が参加し、分科会や医科・歯科・薬科交流企画などで日頃の診療の創意工夫や研究成果を交流し、連携を深めた。(次号詳報)

 「被災地の医療を考える」をテーマに開催された特別分科会は、東日本大震災被災地から3人の医師・歯科医師が報告。被災状況や救援活動、復旧経過などを、多数のスライドと共に生々しく語り、医療再建にあたっての課題を訴えた。
 岩手県陸前高田市の県立高田病院院長・石木幹人先生は、医師不足に苦しみながらも地域と協力し病院運営が軌道に乗ってきたところに震災に遭った。避難所訪問や訪問診療に力を入れ、地域に密着した医療を提供し続けてきた経験を語った。
 岩手県大槌町の植田医院院長・植田俊郎先生は「災害に備え、患者情報、医療拠点の確保と慢性期への移行準備が必要」と強調。
 宮城県亘理町の鳥の海歯科医院院長・上原忍先生は「行政の区画整理で再建できない医療機関をどうするかが課題。仮設歯科診療所への国の助成も必要だ」と訴えた。

創意工夫を交流

 分科会では24演題が発表された。電子レセプトの利用法や患者へのアンケートなど、日常診療における医科・歯科各医院や薬局の多彩な取り組みが報告され、参加者と活発な質疑を交わした。国民皆保険の歴史や被災地支援の経験など、メインテーマに関連した演題も発表された。
 恒例の医科・歯科・薬科交流企画は、「日常診療における睡眠(呼吸)障害への対応~眠れない、眠りたい、眠りすぎ」をテーマに開催。大阪回生病院睡眠医療センター部長の谷口充孝先生、北区・井尻歯科クリニック院長の井尻博和先生、伊丹市・ウイング調剤薬局の長光由紀氏が、それぞれの立場から報告し、フロアからの質問に答えながら、睡眠障害への対応を多面的に考えた。
 「心肺蘇生法実技講習会」や「第10回あなたとわたしの展示会」、情報ネットワークコーナー、医院新聞・M&Dネットワーク・MECの展示、県下の特産品抽選会など多数の企画も並行して開催され、参加者の関心を呼んでいた。
 市民公開講座や診療内容向上研究会、救急フェスタ、被災地の医療を考える懇談会など、事前に行われたプレ企画には、のべ461人が参加した。

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