兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年1月25日(1676号) ピックアップニュース

燭心

 筆者は毎年、大みそかに明石の魚の棚で正月用の焼き鯛を買う。鯛の浜焼きの店である魚秀で朝から行列して買うのだが、今年はわずか1時間の待ち時間で買えた。例年の数分の1である。魚の棚の水産物の売れ行きも正月価格とはいえあまりよくない。以前のように言い値で飛ぶように売れたということはない。以前はこの時期は人とぶつからずには通れないほどであったが、今年はそれほどではない▼昨年は東日本大震災などがあって大変な年であったが、災害がなくても景気はよくなかったであろう。大震災復興資金を消費税増税に頼るのはいかがなものか。被災地にも消費税の重みは容赦ない。復興資金は国債と法人税をあてるべきであろう。大企業の溜め込んだ内部留保を使うべきである。TPP参入は東北被災地の一次産業に大きな打撃をもたらすと思われる▼診療報酬は02年から08年まで4回連続で引き下げられた。今回は0・004%の「プラス改定」といわれているが、ほぼ据え置きである。長期収載医薬品の0.9%引き下げまで考慮するとマイナス改定である。前回は先進医療を行う一部の大病院には手当がされる一方、再診料の減額などにより診療所などの中小医療機関には引き下げとなった。一部の高額所得者にしか恩恵が受けられない最先端医療にばかり注目しないで、地域医療にも力を入れるべきである。地域医療の崩壊を阻止し、地域医療を支えるための診療報酬の底上げが求められる(海)
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