兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年1月25日(1676号) ピックアップニュース

「入院から在宅へ」「医療から介護へ」 医療費抑制メニューがズラリ 改定骨子

 今次診療報酬改定内容は急性期医療の要件強化と入院から在宅への誘導、リハビリなど医療保険と介護保険の給付調整などが中心で、全体として医療費抑制が色濃い。中医協資料「平成24年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」から抜粋する。
〈初・再診料等〉
・同一日に同一保険医療機関の複数診療科を受診した場合の2科目の再診の評価
・地域医療貢献加算の再編成について検討
〈在宅医療〉
・機能を強化した在支診・在支病の緊急時・夜間の往診料、在医総管・特医総管のさらなる評価
・特定施設入居者の訪問診療料のさらなる評価
・末期の悪性腫瘍患者の診療のさらなる評価
・要介護者に対して、退院直後の2週間に限り、訪問看護ができることを明確化
・急性増悪等で一時的に集中的な訪問リハビリを実施可能とするよう要件を変更
〈リハビリテーション〉
・標準的算定日数を超え、状態の改善が期待できると医学的に判断されない場合のリハの評価の見直し
・医療から介護のリハへ移行後に、疾患別リハを算定できる期間を2カ月に延長
・早期のリハビリの評価とそれ以降についての見直し
・外来リハビリで、一定の条件を満たしている場合に、医師の包括的な指示の下にリハビリを提供できるよう、評価体系を見直し
〈入院〉
・一般病棟7対1入院基本料の算定要件(平均在院日数、看護必要度等の基準を満たす患者割合)の見直し
・一般病棟10対1入院基本料への、看護必要度等に係る評価の要件化と基準を満たす患者が一定程度以上の医療機関についての評価
・金曜入院、月曜退院の割合が高い一般病棟入院基本料算定医療機関の土・日曜の入院基本料の適正化
・午前中の退院がほとんどを占める一般病棟入院基本料算定医療機関の一定期間以上の入院の場合の退院日の入院基本料の適正化
・一般病棟90日超入院患者を、病棟単位で、(1)療養病棟と同等の報酬体系(2)出来高算定し平均在院日数の計算対象、いずれかの選択制
・療養病棟で、急性期後や在宅の軽症患者の受け入れに対するさらなる評価
・一般病棟入院基本料(13対1,15対1)で、急性期後や在宅療養中の患者を受け入れた場合の評価を新設
・精神病床等の入院患者が、透析や検査の共同利用で他医療機関を受診する場合の評価の見直し
〈有床診療所〉
・夜間に看護師を配置している場合の緩和ケアやターミナルケアへの評価を新設
・一般、療養双方の要件を満たしている場合に限り、患者像に応じた入院料算定を可能に
〈歯科〉
・再診時の安心で安全な医療提供を評価(外来環)
・「障害者加算」を「(仮称)歯科診療困難加算」に変更し、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、著しく歯科診療が困難な状態を追加
・歯周病の重症化リスクが極めて高い患者(糖尿病患者)等への歯周病安定期治療の間隔を、歯周外科手術実施に合わせて短縮。歯周治療の一連の評価の見直し
・歯の修復治療や歯内治療等、歯の保存に資する技術を評価
・歯の喪失時に早期に口腔機能の維持・回復が図られ、生活の質の向上に資する技術等の評価
・訪問診療の対象者の「常時寝たきりの状態」の表現を見直し
・急性対応加算を「1回目」と「2回目以降」で異なる評価、同一建物居住者の有無により適切に評価。一度に多数の訪問診療を行う場合の評価の見直し
〈その他〉
・明細書の無料発行のさらなる促進
・処方せんを一般名で処方を行うことを推進
・個々の医薬品について後発薬への変更可否を明示する処方せん様式に変更
・紹介率等の低い特定機能病院の紹介なし受診に保険外併用療養費を利用
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