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兵庫保険医新聞

2012年3月25日(1682号) ピックアップニュース

初級手話学習会が修了 感想文 ろうあ者との距離 ぐんと近くに

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加藤文化部長(右端)や講師らが手話で「おめでとう」(右3人目が筆者)

 文化部が主催する第14回初級手話学習会が3月8日に修了式を迎えた。同学習会は自身が聴覚障害者である井口聡美氏(神戸ろうあ協会)を講師に招き、看護師・歯科衛生士・受付事務など5人が全15回で学んだもの。参加者の感想文を紹介する。

 今回、初めて手話教室に参加させていただきました。それまでは、手話を使った経験も習った経験もないので、初めは正直、どうなるのか緊張と不安な気持ちがありました。
 そんな気持ちも、先生やほかの生徒さんのお陰で、あっという間に消え去り、最初から最後まで、本当に楽しい講義でした。
 手話を始めて感じたことは、手話にはいくつかの魅力があることです。
 例えば、手話の単語は、私たちが日頃使っている言葉と関連していて親しみやすいこと。手話を使うときは、口や目も同時に動きます。手や顔を動かすことで、表現力が豊かになります。表情も大切な表現力です。いろんな体の部位を使って伝えるので、相手に対して「伝えたい」という気持ちが強まること。そして、通じたときは、心から嬉しい気持ちになれること、など。まだ他にもたくさんあります。
 手話はコミュニケーション技術の一つですが、一つの技術から、こんなに色々なことを感じられて、本当に幸せです。ろうあ者の方々は、私たちが使う手話を、一生懸命、読みとろうとしてくださいます。その気持ちが、私の心にもぐんぐんと響きます。本当に温かい気持ちになれます。
 もし、これから「手話が必要」とか「興味がある」とか、どんな理由であれ、手話を始めてみたい方、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。難しく考えず、私たちが日頃、自然に使っているジェスチャーの感覚で始められるといいと思います。
 「こんにちは!」「ありがとう」「ごめんなさい」「おつかれさま」「よろしくね~」など、仕事や私生活で使っている言葉から、まず始めてみませんか? それだけで、ろうあ者の方々との距離がぐんと近くなると思いますし、実際になったと思いました。距離を遠ざけているのは私たちかもしれないと思ったとき、自分の心の狭さを感じました。
 「話したい」「わからないことを知りたい」「困ったときは助けてほしい」こんな思いは、障害の有無とは関係ない当たり前の気持ちだと思います。
 特に、私たちは医療従事者です。患者さんに正しい情報を伝えなければなりません。この手話との関わりが、病院や施設などで困っていたり、孤立してしまった人のお役に立てたらと思います。
 今回、このような機会を提供していただいた、井口聡美先生をはじめ、ろうあ協会と、保険医協会の方々に感謝申しあげます。
【看護師 藤田 光枝】

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