兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年7月15日(1692号) ピックアップニュース

燭心

「はーくしょん」「ごほん、ごほん」「オエー」生物としての人間は外界からの異物、毒物に対し、生体防御反応として「くしゃみ」「咳嗽がいそう」「嘔吐」等の反射を起こし、物理的に有害な異物が体内に入り込まないようにしている▼例えばアレルギー性鼻炎の症状である「鼻水」は花粉やハウスダスト等を外へ洗い流すため、「くしゃみ」はアレルゲンを外へ出すため、「鼻閉」はアレルゲンが体内に入らないよう入り口を閉鎖するための合目的性がある▼これらは主に迷走神経等を介し行われている。この脳神経の起始核は延髄にあり、迷走神経(第10脳神経)の背側核は知覚や自律神経(副交感性)に関与し、孤束核は味覚に、疑核(Ambiguus)は運動に関与している▼ところで現在の日本国を人体になぞらえば三つの大きな異物が体に入ろうとしている(あるいはもうすでに誤嚥してしまった)。(1)消費税増税法案②原発再稼働(3)(TPP参加問題。(1)(2)喉元を通り過ぎている▼喉元過ぎれば熱さを忘れるようでは困る。日本の国を健康な状態にするためには、有害な異物を早期に吐き出させる反射機能が極めて重要である。生体防御のため人体に具備されている、迷走神経反射の要である既述した「疑核」は国の政治の中に備わっているのか?選挙公約であった消費税増税をしないという国民との約束はどうなったのか?民主党野田内閣は国民生活を守るという観点が脱落した「疑核」を有しない「僚」内閣である(鼻)
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