兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年10月05日(1699号) ピックアップニュース

燭心

 風に秋の気配を感じる、鉢植えの日日草の花の大きさが日ごと小さくなる。名前は日日草だが毎日新しい花が咲き一日で咲き終わるわけではない、そして丈夫な花で虫がつかない。今では「ビンカ」という呼び名が一般的、ビンクリスチンという抗がん剤と同じ成分を含む。一日で咲き終わるのは芙蓉と槿(むくげ)、これもこの季節になると花数がどんどん減っていく▼とにかくこの夏も暑かった。〝熱中症は室内、特に寝ているとき起こる〟〝夜間クーラーを切るな、28度でつけておけ〟特に高齢者には口がすっぱくなるほど言い続けたが、脱水症は多かった。その上に、せん妄状態、認知症の悪化、心不全や感染症、転倒による骨折もあった。関西電力が原発稼動の意義を強調すべく、節電・計画停電などの脅しもあり、腹の立つ気の重い猛暑であった▼さらに増して厳しい結果が示された。野田内閣自身が、消費税10%に引き上げられた場合の家計負担の試算を出した。公表される予定はないという。ただ高齢者世帯は「年金生活者支援給付金(一人年間6万円)」という未成立の法案を前提としている、いわゆるダマシである。消費税のみでは、75歳以上の単身者、年収180万円で年間5.5万円、夫婦年収240万で7.4万円。これはかなり収入の多い高齢者、実際にはもっと厳しい生活を強いられるであろう。猛暑だけでなく、一年中を通して金欠病による生活困難症状となる。何とか対策を。(無)
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