兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2012年10月25日(1701号) ピックアップニュース

主張 イレバデー(10.8)~イイハデー(11.8) 「保険でより良い歯科」運動の前進を

 10月8日(入れ歯デー)から11月8日(いい歯の日)までの1カ月を、「保険で良い歯科医療を」全国連絡会ではキャンペーン期間として、さまざまな運動に取り組んでいる。
 入れ歯デーは、1992年、義歯のトラブルが社会問題になりNHKなどに報道されたことがきっかけとなって、保団連などが「保険でよい入れ歯を」の運動を始めるにあたって制定した日である。
 2000年に運動のさらなる発展をめざして「保険で良い歯科医療を」と改称し、歯科医療従事者や多くの市民と共に、全国各地で、街頭宣伝や講演会、電話相談などの活動を行っている。
 兵庫でも、3年前に協会歯科部会などが中心になって呼びかけ、「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会が結成された。今年はパンフレット「命を守る歯科へ」を発行し、11月25日(日)には市民公開講座「寺谷一紀と医と食を知ろう! 命を守る歯科からのアプローチ」も行う予定である。パンフ普及と集会成功に向けて、ぜひともご協力をお願いしたい。
 「保険で良い歯科医療を」全国連絡会が実施した患者アンケートでは、歯科医療への要望で最も高いのは「保険のきく範囲を広げてほしい」で、次いで「夜間や休日も治療が受けられるようにしてほしい」「窓口負担を少なくしてほしい」となっている。これらはいずれも国の長年の低医療費政策によってもたらされた国民へのしわ寄せである。さらに近年では、格差社会の進行により、経済的理由による受診抑制や治療中断が顕著になり、「歯科医療危機」とまで言われる事態が進行している。
 私たちは歯科医療費を含む医療費の水準をヨーロッパの先進国並みに引き上げることによって、(1)保険のきかない治療をなくす(2)窓口負担を引き下げる(3)診療報酬を適正に引き上げる、ことを求めている。県下では過半数の地方議会が請願要求に賛同の決議を上げており、運動は広がっている。
 「食べる」「話す」などにかかわる歯科医療は、歯だけにとどまらず全身の健康にとっても重要な役割を持っている。高齢化社会が言われる中、誰もが安心して歯科医療を受けられるよう、「保険で良い歯科医療を」の運動の持つ意味は大きい。月間成功にむけて、医科歯科一体での取り組みを訴える。
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方