兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年11月05日(1702号) ピックアップニュース

燭心

 ひまわり号に行ってきた。障害を持つ人たちの旅行をサポートしようと、さまざまな人が集って専用列車を走らせる。この運動、1982年に東京で始まり全国に広まった。今年で30歳。おかげ?で当日は雲一つない秋晴れ、お天道様もにっこり祝ってくれたようだ▼さて、今年の行先は丹波・柏原。のどかな田園風景が車窓に拡がる。緑色の専用列車が珍しいのか、カメラを向けてくれる鉄道ファンも見かける。柏原は織田家ゆかりの城下町。江戸時代の陣屋跡など当時をしのばせる史跡が町に残っている。有名観光地ではないけれど、歴史の息づく気持ちの良い町だ▼障害者が旅行をするのは、けっこう大変だ。一昔前までは、車椅子の通れない改札口や、エレベーターのない駅も普通だった。ホームと電車とのすき間も危険で、転落すれば命にかかわる。トイレだって大切だ。数も少なく、狭かったり段差があったりすると、障害者は使えない。あれやこれやで旅行に出るのがおっくうになってしまう▼私の班は、車椅子、視力障害、知的障害の方の混成チーム。毎回参加のベテランから初めての人まで、にぎやかに町を散歩させていただいた。現地で観光ボランティアをしていただいたMさん。柏原高校のAさん、Sさん、一生懸命、目の不自由な方のために説明してくれましたね。町のバリアフリーも大事だけれど、やっぱり心のバリアフリー。みんなで撮った記念写真、宝物になるでしょう。ありがとう。(星)
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