兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年11月25日(1704号) ピックアップニュース

燭心

 紅葉も終わりに近づいた11月初旬、妙高高原を訪れた。阪神間からは新幹線で名古屋へ、中央線の特急「しなの」で長野へ、信越線に乗り換えて5時間半かかって妙高高原駅に到着。車窓の紅葉を満喫した。50年前、新婚旅行で泊まり損ねた「A」ホテルの宿泊券が当たったのである。そのうちに連れてきてやるよと言った連れ合いは、約束を果たすことなく逝った▼妙高は紅葉も終わり、初冠雪の痕も残り、展望台へのロープウェイも運転中止、トレッキングも駄目。熊が下りてきているので要注意とのこと。スキーシーズンまでのオフの期間だったが、ホテルの客は結構多かった▼無料の1泊に、2泊目は露天風呂付のスイートをとり、母娘並んでエステをしてのんびり過ごすことにした。ところが、翌日の夕方のエステまでの時間を、長野の小布施という町で開催されている北斎の展覧会を観て、名物の栗おこわを食べることに決めてから、忙しい1日になった。単線の信越線で長野へ行き、長野鉄道で小布施まで往復3時間。勧めてくれたホテルの従業員も驚く早業だった▼鉄道を使う長い旅だったが、大満足。ホテルの接客の良さ、サーヴィスはかくあるべきと思った。和洋いずれのレストランの食事も美味だった。何もない時期に客を集められる営業の基本を見た思いがする。都会の一流ホテルでも手抜きが目立つこの頃、地方のホテルこそ、心をつなぐ真のサーヴィスを提供して不況を克服してほしい。(硝子)

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