兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年1月05日(1707号) ピックアップニュース

女医の会インタビュー(10) 患者さんと一緒に病を癒す医師として 尼崎市  横田 直美

1707_9.jpg  01年に開業し、東洋医学と西洋医学の良い点を生かし、お一人お一人の身体と心に合わせた「対話する医療」をめざしています。
 看護師・鍼灸師の資格をもつ母や、薬学を専攻していた姉の影響もあり高校生の時から東洋医学に親しむようになりました。医学部に入学後も、独自に東洋医学の勉強を続けました。
 患者さんを全人的な眼差しで診る漢方診療のスタイルは言い難い魅力があります。診察室では、とにかく患者さんの話を聞きます。大事なことを少しずつ聞き出していき、その人にあった対処法を考えます。まるで探偵みたいです。患者さんが元気な体調を取り戻していく姿に、東洋医学の魅力とやりがいを感じます。
 医学部では、コミュニケーションやカウンセリング術は学んでこなかったので、セミナーに通い患者さんとどう向き合うかを追求し続けています。開業を志したのも、ただ外来で病気の治療をする医師ではなく、人間というすばらしいものを、もっと知り、患者さんと一緒になって病を癒していく生き方をしたいと思ったからです。
 大学病院から市中病院の常勤医となった時は、2人の娘も小さかったので子育てとの両立にも苦心しましたが、「臨床医の道を絶対に辞めない」と決め、試行錯誤しました。同窓生の友人たちや医局の女性の先生方とネットワークを作り「孤立しない」「助け合う」「謝るときは謝る」と決めて、子どもが熱を出したら看てもらう、代診をお願いするなど必死に協力し合いました。若い先生方にも、出産や子育てで医師の道をあきらめないでほしいです。どんな苦労も、どんな素敵な体験も、その後の医師人生に生きてくると実感しています。
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