兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年2月25日(1711号) ピックアップニュース

追悼 朝井 榮先生

 協会前理事長の朝井榮先生が1月20日、逝去された。追悼文を掲載する。

朝井先生 安らかにお眠りください
理事長  池内 春樹

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朝井 榮先生(享年76歳)
1936年生まれ。61年関西医大卒、69年7月開業。
[兵庫協会役員歴]1974年6月〜95年5月理事、95年6月〜99年5月副理事長、99年6月〜03年5月理事長、03年6月〜05年5月監事、05年6月〜顧問、83年6月〜95年5月庶務部長
[保団連役員歴]85年8月〜88年1月・88年9月〜97年12月幹事、98年1月〜99年12月理事、00年1月〜01年12月副会長

 朝井先生が理事長の時、いつもみんなの意見をよく聴かれ、最後に「ちょっと待ってください」とご自分の意見を言われるのをすばらしいと思っていました。
 広川恵一先生と小生が保団連の理事で、先生が副会長の時は、東京の会議からの帰りの新幹線の車内で、先生のお好きな白ワインを飲みながら色々お教えいただけるのが楽しみでした。
 先生は全国の協会・医会に先駆けて兵庫県保険医協会に「薬科部」を創設されました。国の医療政策で医薬分業が推進され、ジェネリック医薬品が推奨される現在、薬剤師さんとの連携はますます重要です。処方医が信頼できる薬剤師さんのおられる薬局を指定できれば、小生は医薬分業の意義があると考えています。
 薬科部はすばらしい研究会を次々企画され、日常診療経験交流会でも医科・歯科・薬科が一堂に会して研鑽に努めています。すばらしい薬剤師さんとたくさん知りあう機会が得られたことは大変嬉しいことです。
 薬科部の忘年会で先生とご一緒に白ワインを飲む機会が、この世ではもう永遠にないと思うと残念でなりません。
 生活保護受給者はジェネリック医薬品を使えとか、TPPに参加して混合診療を認めろとか、混合診療のさきがけである介護保険の給付範囲を狭めろなど、憲法11条の基本的人権や憲法25条の生存権が無視され、中国や北朝鮮に対抗するため憲法9条を改正しようとの勢力が力を増す今、先生を失ったことは残念でなりませんが、朝井先生、安らかにお眠りください。


追憶 〜前理事長 朝井榮先生のこと〜

顧問  森下 敬司

 1月末に協会事務局から電話があった。1月20日に亡くなられ、近親者のみの葬儀をすでに終えられたとのこと。
 先生と最後にお会いしたのは、昨年暮れの西宮・芦屋支部忘年会にゲストとしてお出でになったときで、ワイングラスを片手に皆の話に耳を傾けられていたが、当日はいかにも大儀そうで、トイレに立つにも足下がおぼつかなく息苦しそうにお見受けした。
 先生は持病の心房細動、慢性心不全で治療中であり、5年前に奥様を亡くされたあとご不便を託っておられるのを聞いていただけに、この日の先生のご様子は私にとって大変気がかりなことであった。
 その矢先の訃報であり、今にして思えば、体調不良をおしてまで忘年会に来られたのも、私たちへの最後のお別れのつもりだったのかなと思えてならない。
 年は私の方が5歳上で、協会には保険医クラブ時代に入会していたが、先生は1969年の保険医協会結成時に入会し、5年後には理事に就任されている。以後、先生との交友歴は約40年に及ぶが、当時の協会新聞の"人"欄に先生のことが記載されており、一部抜粋させていただくと...。
 "大阪生まれの38才、関西医大卒業後大学院修了、学位受領後、兵庫区でアサイクリニックを開業。母校の講師やNHKの精神衛生管理医、また兵庫県神経科診療所医会の副会長"との略歴紹介とともに、お人柄に関する記事もある。
 "その温顔と立派な体格は頼りがいがあり、趣味はダンス。気さくで友人も多く酒豪でその飲みっぷりは周囲を明るくする"とあり、最後に"いかにも優しい紳士風で患者さんの信頼度も高い。しかし学問とか自分の意見については曲げることなくハッキリと述べる方"とある。
 言い得て妙であるが、このキャラクターは終生変わらず、皆からの信頼も厚く総務部・研究部などを担当し、やがて副理事長を経て1999年に第4代目の理事長に就任、さらに保団連の副会長にも選ばれ、東奔西走の激務を余儀なくされていた。
 そのためか、急性心不全で1カ月入院をされたこともあったが、なんとか乗り切って2期4年間の理事長役を無事全うされた。
 引退後も時折診内研の勉強会にも姿を見せられて、会が終わったあと、元町界隈で先生を中心に女性陣をまじえての楽しい酒席もたびたびあり、今となっては本当に懐かしい思い出となっている。
 また、先生は協会活動以外でも町内の自治会長、小・中学校のPTA会長、障害者団体など、多くの諸団体にも関与されていた。
 最後に忘れてはならないのは、先生の在任中に当時の松本卓理事らとともに、"薬科部"創設に尽力され、同部は14年目の現在、約80名の会員を抱え、活発な活動をしており、このような医科・歯科・薬科三位一体の体制は全国協会の中でも、わが兵庫協会のみであるのも、大いに誇ってよい先生の功績の一つであろう。
 来る3月9日(土)に薬科部主催で"朝井先生を偲ぶ会"を開く予定です。天上から見守っていてください。
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