兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年4月05日(1715号) ピックアップニュース

燭心

 季節は必ず巡ってくるけれど、最近巡り方に異変が起こっているようだ。日本列島の北半分の異常な豪雪、東京の都市機能を麻痺させるほどの積雪。そうかと思うと例年より2週間も早い桜の開花。列島の地下深いところで、熱いエネルギーがうごめいているのではないかなどと考えることがある。そういえば東南海トラフの大地震や大津波に対する防災関連のテレビのプログラムが多くなった▼水のペットボトルとカップめんを少しストックし、ベッドの枕元に懐中電灯とラジオと予備の電池を用意した。この文章を書きながら、スニーカーもすぐ近くに置いておこうと思いついた。あまりに深刻に考えると、夜パジャマに着替えることもできなくなるといった友人もいたが、ほどほどに心の準備だけはしておくのがよさそうである▼日本列島を揺さぶる異変は自然現象だけではない。環太平洋の諸国でリーダーの交代があり、各国が国益を掲げて、首脳外交真っ盛り。他国に頼らないで独自の情報収集能力を高めること、外交交渉の駆け引きに長じた外交官を育てること。首相は国益を最優先に、守るべきものは断固守ってほしい▼私たち日本人は学校教育の中で討論をするという訓練を受けてこなかった。討論はしばしば口論となった。これからの子どもたちには、正しい討論の訓練を学校教育の一環とし、習熟してほしいものである。満開の桜と新1年生のランドセルに、未来の優秀な国際人の輩出を願って。(硝子)
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