兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年8月05日(1726号) ピックアップニュース

女医の会インタビュー (12) 地域との連携で愛される病院に 西宮市・上ヶ原病院  大江与喜子

1726_8.jpg 兵庫医大を卒業した後、大学での勤務を続けていましたが、いよいよ引き継いだ上ヶ原病院で、本腰を入れようとはじめた次の年に阪神・淡路大震災が起こりました。
 病院が機能しなくなり、私がずっと診ていた患者さんたちに転院してもらわなければならず、身の切られるような思いでした。何かできないかと、近くの避難所に行くと、たくさんの方が「先生」と声をかけて寄って来られるんです。病院が地域の方々に大切に思ってもらっていたことを実感し、地域の方に愛される病院にしなければと決意しました。
 毎月近隣の大学や地域の方の協力をいただいて音楽会を開催し、クリスマスには病院職員によるグループ「トップフィールズ」による合唱会もします。一緒に大きな声で歌ったり体を動かしたりと、患者さんや近隣の方に毎回楽しみにしていただいているんですよ。
 音楽会で使われているピアノは義母から譲り受けたものです。もう100歳くらいの古いピアノですが、メンテナンスや音楽会という「リハビリ」を通して元気になっているようで、みなさんも励まされているようです。
 今、女性医師が多くなってきてとても嬉しく思っています。ただせっかくキャリアを積んでも、結婚や出産を経てブランクが空くと医師をやめてしまったり、パートでの勤務になってしまうのは残念です。
 最近では「イクメン」ブームや院内保育所の設置などで子育てしながらでも働きやすくなっていますし、家庭をもつ経験などは診療でも活かせるでしょう。
 ブランクを気にせず、積極的に現場に戻ってきて力を発揮してほしいです。
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