兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2014年2月15日(1742号) ピックアップニュース

籾井勝人NHK会長の発言に抗議する

 1月25日、籾井勝人NHK会長が就任記者会見の席で「従軍慰安婦は戦争をしているどの国にもあった」などと発言したことを受け、協会は2月1日、下記の抗議声明を採択し、関係各機関に送付した。

2014年2月1日
兵庫県保険医協会
理事長 池内 春樹
 籾井勝人NHK会長は、新会長としての就任記者会見の席で「従軍慰安婦は戦争しているどの国にもあった」「欧州ではどこだってあった」「韓国は日本だけが(『慰安婦』を)強制連行したみたいにいうから話がややこしくなる。(補償問題などは)日韓条約で解決している」「(国際放送について)政府が右ということを左というわけにはいかない」などと述べた。
 第2次世界大戦中、軍が組織的・系統的に「慰安婦」制度をつくっていたのは日本とナチス・ドイツだけで、「慰安婦」制度が「どの国にもあった」とするこの発言は、「慰安婦」問題の本質を全く理解しない暴言であり、許されるものではない。
 さらに籾井会長は、「(国際放送について)政府が右ということを左というわけにはいかない」とも述べた。この発言は、国民の知る権利に奉仕し、権力の監視を担うべき公共放送の会長自らが、権力の言いなりになると宣言したに等しい。
 真実を捻じ曲げ、放送の不偏不党をないがしろにするこれらの発言は、放送について「不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」とする放送法に反する重大な発言であり、籾井氏のNHK会長としての資格が根本から問われる。
 また、首相も菅義偉官房長官も籾井氏の発言を「個人としての発言」と片付けようとしているが、会長就任記者会見での発言であり、個人の発言とする言い逃れは出来ない。籾井氏をNHK会長に選任した政府の責任も問われる。
 兵庫県保険医協会は、人命を守る医師・歯科医師の立場から、また、平和を脅かす動きに反対する医師の社会的責任を自覚する立場から、籾井氏の発言に抗議し、NHK会長の職務をただちに辞任するよう強く求める。
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