兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2014年3月25日(1746号) ピックアップニュース

燭心

 発明王エジソンの最大の発明品は?と問われたら、白熱電球、蓄音機、電信機等々...と答えが返ってくると思われるが、これらで現在でも使われているものは皆無である。人類文明史の一時期で役立ったかもしれないが、最大の発明はハード面でなく、実は研究所を作り技術を世間に公開したことだろう。特許に守られた技術の公表により、切磋琢磨し、さらなる技術革新につながる▼「罰則を伴う特許」という概念が重要である。せっかく発明しても創意工夫した努力の結果が他人に無許可で真似されたら、たまったものでない。特許によって知的所有権が守られなければ、技術は隠蔽、秘匿されるため、進歩が損なわれる▼中国では、イギリスの産業革命が始まる300年も前の明の時代、巨大な艦船を造りインド洋への航海を行った(鄭和の大遠征)。ところが中国によくある悪しき官僚制、海禁(鎖国政策)のため技術が伝承されず、すぐれた航海術も造船技術も製鉄技術もすたれてしまった。火薬や羅針盤も中国で発明されたが、本国ではあまり利用されず消失した。16世紀に大航海時代となり、西洋は産業革命を経て科学技術の大公開により大航海時代が起こる。東洋は植民地化という 大後悔 ・・・の時代になった▼現在日本では秘密保護法という悪法のため、一部の政治家・官僚の都合で、軍事技術、国家機密と結びつくと拡大解釈され情報が公開されず、自然科学分野の進歩に悪影響が及ぶことが危惧される(鼻)
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