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兵庫保険医新聞

2014年11月15日(1767号) ピックアップニュース

会員意見実態調査結果  医業収入の減少が顕著に [6] 税務・経営

 「医業収入」について、「減った」と回答した会員医療機関は医科・歯科合わせて39.3%で、「増えた」の15.4%を大きく上回り、「変わらない」の30.8%も上回った(図1)。前回改定と比べると「減った」は36.5%から2.8ポイント増え、「変わらない」は36.5%から5.8ポイント減少するなど、会員医療機関の医業収入の減少が顕著となった。
 一方、医業経費については医科・歯科合わせて「変わらない」が42.3%で最も多く、「増えた」の29.1%が続いた(図2)。
 収入は減少しているにもかかわらず、経費は変わらないか、増えており、医療機関を取り巻く経営環境が厳しさを増していることが伺える。
 医業税制の改善要求では、「消費税損税の解消」が48.7%と最も多く、以下、「事業税非課税措置の存続」「4段階税制の存続」と続いた(表)。消費税の5%から8%への引き上げと同時に行われた今回の診療報酬改定について、厚労省が主張する診療報酬への上乗せ措置では不十分だと考える会員が多いことの表れと考えられる。
 また、「経営対策研究会のテーマとして希望するもの」については、「医事紛争」が40.2%と最も多く、「雇用管理の基礎知識」「税務調査への対応」と続いた。少なくない会員が、患者とのトラブルやスタッフの雇用管理について不安を持っていることが伺える。
 申告形態について、医科では「一人医療法人」が20.1%と最も多く、「青色実額」(19.5%)、「青色4段階」(14.5%)と続いた。調査開始以来初めて、「一人医療法人」が最も多くなった。
 また、歯科では「青色実額」が45.3%と最も多く、「青色4段階」(26.7%)と続いた(図3)。医科、歯科ともに4段階税制を利用している医療機関は一定数あり、協会として、今後も存続を求めていく必要がある。
 税務調査について、過去2年以内に「あった」と答えた医療機関は10.7%、「なかった」と答えた医療機関は84.2%だった。この傾向は、前回調査とそれほど変わっていない。(連載おわり)

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