兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年1月25日(1772号) ピックアップニュース

ストップ 患者負担増 署名「私も集めてます」インタビュー(4)

歯科では特に深刻な受診抑制がおこっています
姫路市・つだ歯科医院  津田 賢治 先生

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待合室でスタッフが署名をうったえる

 当院ではスタッフが中心となり、受付に政府が進めようとしている患者負担増計画のポスターを掲示し、患者さんだけでなく付き添いなどで来ている方にも署名をお願いしています。忙しい時にお願いするのは大変ですが、訴えればどなたでも書いていただけています。
 これ以上の患者負担増は深刻な状況を引き起こすと考えています。特に歯科では、窓口負担が増えると、少しくらい痛みがあっても我慢しようと、受診をためらってしまう人が増え、医院に行きたいと思っても窓口負担が気になり行けず、患者さんの口腔内の健康が損なわれたままになっているケースを多々診てきました。
 日本の歯科保険総医療費はわずか約2兆7千億円で20年間横ばいです。その20年間にも歯科医療機関数は増え続け、少ない医療費を数多くの医療機関で分け合って各医院共苦しい経営を強いられているような状況です。「保険でより良い歯科」を実現し、この状況を打開していくことこそが国民の幸せにつながると考えています。
 政府は史上最大の予算を組みましたが今一度無駄な予算がないか再検討すべきです。無駄を少しでも省き、国民の健康を支える医療にもっと多くの予算を振り分けるべきです。
 そういう国民の声を国の政策に反映させる手段は、現状では選挙以外では署名しかありません。他の医療機関の皆さんにも、ぜひ一人でも多くの署名を集めていただき、その声が政府に届くことを願っています。
署名を積み上げれば行政は動く
尼崎市・わたや整形外科  綿谷 茂樹 先生

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リハビリ室にも署名を置くなど、集め方を工夫している綿谷先生

 6年前、県立塚口病院が廃止されそうになったとき、患者さん、市民の方々といっしょに8万筆の反対署名を集め、廃止方針は変更され、署名の力を感じました。
 署名は受付に置いておくだけでなく、リハビリ室に置く、患者さんに持って帰ってもらう、卸の業者や、介護施設の方などにお願いして書いてもらうなど、いろいろなやり方で集めています。業者にとって、負担増により患者が減るのは死活問題ですので、自分と家族の名前だけでもとお願いすると、集めてくださいます。職員さんには家族の分も皆書いてもらい、50筆以上集まりました。頼んで絶対に書かないという人はいませんでした。
 今政府は、かぜ薬や湿布薬などの保険外しを計画していますが、湿布薬は飲み薬よりも医学的に効果が高い場合もあり、医師がその人にあった薬を処方する必要があると思います。
 高額療養費の上限額引き上げも計画されていますが、今でも、例えば高額な生物学的製剤を月1回投与する必要がある人には、ひと月おきに、月はじめと終りに来てもらうなど、負担ができるだけ重くならないようにしています。さらに引き上げられると、家計に響くと多くの患者さんがおっしゃいます。
 昨年末の衆議院選挙ではほとんど患者負担増計画について触れなかったのに、選挙が終わったら負担を増やそうとするのは卑怯です。今こそ声を上げる時期なのではと思います。
 県立塚口病院の廃止も、署名の力が効いて、計画が変更されました。ちょっとした手間をかけ署名を集めれば、一つひとつはわずかな力しかなくても、たくさんになれば大きな力になると感じました。今回も一人ひとりが少しでも集め、協会全体で多くの署名となれば、患者負担増は許せないという思いが国に届くのではないかと思います。みんなで少しずつでも署名を集めませんか? 集めましょう!
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