兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年2月25日(1775号) ピックアップニュース

燭心

 最近、筆者の医院では大病院を受診してきた患者から、2カ月投薬、3カ月投薬の処方せんを要求されることが多く、困惑している。きちんと患者の病態を診て処方するには、1カ月投薬でさえ遠慮してほしいのが、こちらの本音である。それで、「2カ月も3カ月も受診がないと、責任が持てない」と言うと、「もとの大病院へ行って、検査してもらうから大丈夫だ」と言う。たいていの場合には、こちらが負けて長期の処方せんを出すはめになってしまう。個人の開業医と大病院の役割の違いを説明しても、彼らはなかなか聞く耳を持ってくれない▼調剤を外部の薬局に委託しているので、日々の診療では、再診料と処方料、慢性疾患の場合に指導料が算定できるだけ。当然、毎月の診療報酬はとみに減少するばかり。子どもの教育も終わり、パートナーも旅立った身であれば、少しの生活費と、将来の介護費用があればこと足れりと達観しているものの、国の医療行政に対し、文句の一つも言いたくなる▼今年4月の介護報酬改定では、介護報酬が2.27パーセントも減額になるという。国は、介護職員の待遇改善をとなえていたはずであるが...減額のしわ寄せが、介護職員たちの給料カットにならないよう望みたい。高い理想を持って資格を取った若者が、待遇や社会的な評価が向上しないなかで、将来の生活に夢を持てないと、次々と介護の仕事から離れていく。この現状をくい止める施策が必要である(硝子)
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