兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年3月25日(1778号) ピックアップニュース

ストップ 患者負担増 署名 『私も集めてます』 インタビュー(7)
受診控えてしまう患者の声を署名に 長田区・番町診療所  松岡 泰夫先生

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「患者さん一人ひとりに署名を
直接手わたしている」と松岡先生

 政府は3月3日に、医療保険制度改革法案として入院時食事代の自己負担引き上げなど、患者負担増計画を閣議決定しました。その一方で自衛隊の海外派遣をいつでも可能とする恒久法の制定、憲法「改正」など、本当に戦争をしたがっているとしか思えない政策を進めています。
 医師の仕事とは人の「病」を「治す」ことがまず重要ですが、人の死を「看取る」ことも重要な仕事の一つです。命の「はかなさ」や「あやうさ」を知るがゆえに、それを守ることの「大切さ」と「すばらしさ」を知る機会が多いのです。だからこそ、社会保障の充実を求めていくとともに、戦争には反対すべきです。戦争が始まってしまうと、社会保障は有名無実化し、障害者、子どもなどの社会的弱者が見捨てられかねません。
 診療所での診療や往診を通し、地域住民の生活が個のレベルで見えてきます。私の診療所の周りは古くからの市営住宅が立ち並ぶ、決して裕福とは言えない地域です。年金暮らしの高齢者が多く、年金引き下げの影響をもろに受け、生活費を切り詰め、患者負担が重いからと受診を控えてしまう方がたくさんおられます。このような方々の「負担を軽くしてほしい」という声はなかなか政治に届きません。この声を届けるためにも、患者さん一人ひとりに署名を直接手渡して、お願いしています。
 地域住民・患者さんの「負担増これ以上耐えられない」という思いを集め、「患者負担増ストップ」の声を国に届けましょう。
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