兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年6月25日(1786号) ピックアップニュース

現場の声聞き 患者負担増の中止を 6・11国会要請行動
医療保険制度改革関連法で厚労省と意見交換

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厚労省レクチャーで「負担増で受診抑制が起きる」などと訴える武村副理事長(前列左2人目)

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堀内衆院議員(左2人目)に署名を手渡す福田(左端)・中井(右2人目)両理事、武村副理事長(右端)

 保団連・兵庫協会は6月11日、国会要請行動を実施。先月末に成立した医療保険制度改革関連法で、詳細が審議会等に委ねられた入院時食事療養費の自己負担引き上げ、紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入等について、兵庫選出国会議員、厚生労働省に患者負担が増えないよう要請するとともに、審議が開始された安保関連法制の廃案を求めた。衆議院憲法審査会の傍聴も行った。武村義人副理事長、中井通治・福田俊明両理事が参加した。

 当日は、医療保険制度改革関連法成立を受け、厚労省の各担当官からレクチャーを受けた。協会からは武村副理事長と中井理事が参加した。
 保団連から事前に提出されていた、紹介状なしの大病院受診時の定額負担の例外となるケースや実際の負担額、後期高齢者の保険料軽減の特例措置(予算措置)の見直しに関する激変緩和措置の具体的内容、患者申出療養について有害事象が生じた場合の患者への補償制度、国保の都道府県単位化についてさらなる財政支援は行われるのかなどの質問に対し、担当官は、どの質問についても、今後、関係団体などの意見を聞きながら、中医協などで決めると述べるにとどまった。
 担当官の説明を受けた後の意見交換で、武村副理事長は、協会が行った県難病団体連絡協議会や県栄養士会との懇談から、紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入について「難病患者は容態が急変することも多く、かかりつけ医に毎回紹介状を書いてもらうのは現実的ではない」、入院時食事療養費の自己負担引き上げについて「これまでと同じ入院食なのになぜ自己負担が増えるのかという声が患者さんから出かねない」と危惧を表明した。
 また、中井理事は「日本の国民皆保険制度は世界に誇るべき制度だ。医療保険制度の『改革』には慎重になるべきだ」と訴えた。
 議員要請では、堀内照文衆院議員(共産・厚生労働委員)が要請に応じ、「厚労委員会では、年金の個人情報流出問題の審議中にもかかわらず、与党と維新の党が派遣法改悪案の審議を強引に進めようとしており、抗議しているところだ。患者負担増阻止に全力を尽くしたい」などと応じた。「ストップ患者負担増」署名2274筆を手渡した。
参加記 「戦争法案」押し返すのは国民の声しかない
理事  福田 俊明
 6・11国会要請に参加させていただいた。
 東京に着いて、午前中1時間ほど、衆議院憲法審査会の傍聴に参加の機会を得ることができた。
 カメラ等は持ち込み禁止。金属探知機をくぐり、長い廊下をやや緊張気味で進み、第18委員室に入室。すでに発言は佳境に入っている様子。この日は、安保法制の違憲性がメインテーマとなっていた。
 傍聴席からは、ほぼ全員の発言者が見渡せる。感心したのは、一段高い席の会長(議長)は必ず発言者の顔と向き合いながら聞かれていたことだ。各人5分程度の持ち時間に自分の意見を述べられていた。
 1週間前の憲法審査会で、憲法学者3人が集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安保法制を「違憲」と明言した影響は甚大で、自民・公明の発言者はたじたじであったようだ。
 中でも、自民党の議員が、「内閣法制局には司法試験に合格した法律家もいるが、多くが素人の集まりだ」との内容の発言を行ったのには、わが耳を疑った。在日米軍が違憲かどうかが問題となった砂川判決を持ち出して、集団的自衛権の行使は可能とされていた議員もいたが、的を射た発言とは思われなかった。ある議員は自分の過去の実績を上げ、憲法審査会ではなく特別委員会で議論するよう呼びかけておられた。何をかいわんやである。
 発言したい者は名札を立て、終了で倒す。
 安倍政権はアメリカから押しつけられた「戦争法案」を数の力で「合憲」と主張し、衆議院通過をはかると予想されるが、それを押し返せるのは野党の議員さんはもちろんだが、国民の強烈な反対意見しかないと思う。
 今回の傍聴券の半券部分をながめながら、今後の新聞報道等を注視していきたい。
 報道からは伝わってこない雰囲気を味わわせていただいたことに感謝である。
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図 憲法審査会の様子(イメージ)
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