兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年8月25日(1791号) ピックアップニュース

燭心

 今年の夏は暑かった。太平洋高気圧の上にチベット高原からの高気圧が被さった状態で、南の暑い大気が居座った状態が続いたからだ。温暖化による台風の大型化のせいか、先月の台風の大雨により、JRが運転停止し、大変だった。しかし電力不足の声は聞かれなかった▼太陽光発電や電力会社の間の電力の融通や節電が進んだためだ。立秋も過ぎ、季節は処暑。ようやく夏の暑さのピークも過ぎ、朝夕には秋の気配が感じられ、今年の夏も、原子力発電所ゼロで乗り切れると思っていたところ、東日本大震災で壊滅的被害を受けた東京電力福島第一原発の廃炉もままならないのに、九州電力の川内原発が営業運転を再開した▼原発の運転差し止めを命じた福井地裁の判決に見られるように、原子力発電所と国民の幸せとは相いれない。姫路の駅前でも毎金曜日、反原発の訴えが続いている。姫路の前の瀬戸内海に浮かぶ家島でも昔、原発誘致の話が持ち上がったが、地域住民の反対で作られなかった▼原発はゆっくり爆発している原子爆弾であり、ひとたび自然災害や事故やテロや戦争での攻撃の対象になれば、周りに放射性物質をばらまき続ける。ふるさとがいったん汚染されれば、何百年もそこに住むことができなくなる。近畿地方の水がめ・琵琶湖の北側には関西電力の原発が並んでいる。琵琶湖が放射能で汚染されれば大変なことになる。原子力発電所をなくすにはどうしたらよいか、知恵を出し合おう。(水)
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