兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年9月05日(1792号) ピックアップニュース

原発事故・県内避難者へ健康診断
健康管理つづけよう 阪神間の居住者ら44人が受診

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池内名誉理事長(上)、辻副理事長(中)が小児科の診察を、山中理事(下)が眼科検診を行った

 福島第一原発事故による県内への避難者を対象とした健康診断が、8月23日に尼崎医療生協病院で開催され、福島県などから避難してきた44人が受診した。協会の池内春樹名誉理事長、辻一城副理事長が小児科の診察を行い、山中忍理事がスタッフとともに眼科検診を実施した。
 避難者健診は、避難者に寄り添い、気持ちよく健診が受けられる環境を提供し、健康管理に寄与しようと、兵庫県民主医療機関連合会(民医連)が半年に一度実施しており、今回で5回目。民医連からの協力要請を受け、協会役員が毎回、診察に参加している。
 尼崎医療生協病院での実施は2回目で、尼崎市や西宮市居住の家族が多数受診した。健診内容は、問診、身長体重計測、診察、血液検査、心電図、検尿、甲状腺エコー、眼科検診。
 会場では、レクリエーションコーナーを設ける、健診をスタンプラリー形式にする、避難者同士が交流できるような場を設ける、法律相談が行えるよう弁護士による無料相談所を設けるなどの工夫がされた。受診者には、将来にわたって自分の健康管理に役立ててもらえるよう、「私の健康記録ファイル」を渡している。10月には健診結果相談会が予定されている。
 終了後のスタッフの感想交流では、「子どもたちの健康を考え、10年間は健診を続けていきたい」「自治体からの補助で、健診が無料で行えるようにしてほしい」、参加した医学生からは「避難者健診を毎年行う意義は大きいと感じた。来年も参加させてほしい」などの声が出された。
(次号に感想文を掲載予定)
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