兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年12月15日(1801号) ピックアップニュース

燭心

 年末恒例と言えば「今年の漢字」が楽しみだ。世相を一字で表す簡潔さがいい。初回は確か「震」だったか、阪神・淡路大震災の年だ。12日の「漢字の日」に発表されるので、本紙が届く頃にはもうお目にとまっているだろう。先立って勝手にマイ「今年の漢字」を考えてみた。当たっていればご喝采を▼私の選んだ一字は「憲」。護憲・改憲とこの1年ずいぶん世間を賑わせた。辞書で引くと「大本になるおきて」とある。なるほど、わが国の憲法には「国の最高法規」「この条項に反するものは効力を有しない」(98条)とある。先人は訳語にいい言葉を選んだものだ▼今年観た映画「グローリー」が印象に残る。キング牧師が合衆国憲法を盾に、黒人の参政権を大統領に迫るシーンが圧巻だ。牧師の起こした公民権運動は、半世紀を経て黒人大統領の誕生する時代とつながる。いかなる権力者も憲法の定める枠内で行動しなければならないとする、国民が政治に課した枷が歴史を変えた。立憲主義という言葉を学ばせてもらった▼わが国にも、日本国憲法を盾に医療費無料化を実践した町長がいた。今も、米軍基地建設反対の先頭に立つ知事がいる。「憲」の字は権力者には煙たくても国民には強い味方だ。一片の閣議決定で、海外での武力行使を可能とする憲法解釈の変更が行われた。憤りを覚えるが憲法がなくなったわけじゃない。〝I Have a Dream〟キング牧師の有名な演説の言葉で今年を締めくくろう(星)
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