兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2016年8月05日(1821号) ピックアップニュース

新聞部の会員訪問 大角俊夫先生の巻
1枚の写真にドラマがある

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中央区おおかど歯科医院 大角 俊夫先生
【おおかど としお】1964年香川県高松市生まれ。1991年徳島大学歯学部卒業、2005年12月に「おおかど歯科医院」を開院し、現在に至る。2005年からサッカーを始め、2010年からプロフットサルチーム「デウソン神戸」の公認カメラマンを務めている

 神戸のプロフットサルチーム「デウソン神戸」の公認カメラマンは実は歯科医師。カメラマンだけでなく自身もサッカー・フットサルをプレーする大角俊夫先生に、新聞部の鈴田明彦理事が公認カメラマンになられたきっかけなどを聞いた。

サッカーを始めたのは40歳になってから
 鈴田 本日はありがとうございます。先生はサッカー・フットサルがお好きと伺いました。私もスポーツはするのも観るのも好きで、デウソン神戸のスポンサーになったこともあります。先生がデウソン神戸に関わるようになったきっかけは何ですか。
 大角 40歳になった頃、当時小学生だった息子が少年サッカーを始めたことがきっかけです。息子の練習相手をしようと思っても、全然サッカーボールがうまく蹴れませんでした。「子どもの相手ぐらいできないと」と思っていたとき、たまたま地元プロサッカーチームのヴィッセル神戸が、プロが教える「大人のサッカー教室」を始め、1期生として教室に通いはじめました。
 そこで私と同じように40歳を過ぎてサッカーを始めたのが、後に日本フットサルリーグ(Fリーグ)の初代アンバサダー(フットサル伝道師)を務めることとなる草葉達也氏だったんです。
 彼から、神戸にプロフットサルチームがあるので、支援してほしいと頼まれ、サポーターになりました。
 鈴田 私も応援に行っていましたよ。スポーツ全体に言えることかもしれませんが、会場で生の試合を観ると、皆が一生懸命にプレーしており、迫力が伝わってきますよね。
 大角 フットサルでは相手選手を引っ張ったり、突いたりなど、接触プレーが多く迫力があります。サッカーと比べコートの近くで試合を観ることができ、駆け引きも分かって面白いです。Fリーグは今年で設立から10年。節目の年です。ぜひ試合を観に、会場に足を運んでいただけたらと思います。
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聞き手 鈴田 明彦理事

趣味が高じて公認カメラマンに
 鈴田 どのような経過で公認カメラマンとなられたのでしょうか。なかなかなろうとしてもなれないと思うのですが。
 大角 今でこそ観客が増えていますが、結成当時はアマチュアに毛の生えたようなチームで、写真もスタッフが片手間で撮っているような状況でした。私は昔から写真が趣味で、少年サッカーに始まり、ジュニアユース、高校とサッカーをしていた息子を撮っていましたので、フットサルの試合でも撮影するようになり、良さそうな写真を選手に渡していました。7年ほど前、チームからカメラマンとして協力してほしいと頼まれ、写真でチームをサポートしています。
 鈴田 私も写真が趣味ですが、全然オファーがなかったですね(笑)。カメラへのこだわりはありますか。
 大角 私は大学時代写真部で、当時からキヤノンのカメラ一筋です。世界的なスポーツイベントやF1などでカメラマンが使っている「白レンズ」を持つことが憧れでした。今使っているカメラはプロ機ではないですが、もちろん「白レンズ」を使っています。
 フットサルは屋内競技で、照明が少し暗いこともあり、明るいレンズと感度調整して、主にコートの脇で撮っています。
予測を立てながらベストショットを狙う
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フットサル特有のパワープレー(5人の選手全員が攻める)でキーパーの代わりに入ったデウソン神戸の選手がシュートを放とうとしている1枚。ゴール前で選手が密集しているのが分かる(大角先生提供)

 鈴田 写真を撮る際に気を付けていること、楽しさなどを教えてください。
 大角 スピード感ある選手たちの決定的瞬間を撮るように心がけています。
 顔を上げてボールを蹴り、シュートを決める写真はほとんど撮れません。ボールを蹴るとき選手はボールを見ていますので基本顔は下を向いていますし、ボールを蹴って顔を上げた時にはボールがどこかに行ってしまっています。
 実をいうと、カメラマンが「今からシュートする」ことが分かるようなシュートは、ほとんどゴールには入りません。どの選手が得点を決めそうか。レンズをのぞきながら試合全体のことを考え、予測を立てながらベストショットを狙うのは楽しいですね。
 鈴田 1試合で何枚ほど撮るのでしょうか。
 大角 今は秒間10枚ほど撮れるので、一試合3000枚ほど撮っています。その中からセレクトしてチームに提供していますが、ピントが合って構図もバッチリな写真は、本当に数枚しか撮れません。
 ただ、得点を取った時、サッカーだとコートが広く、喜んでいる選手の写真しか撮れないですが、フットサルは選手同士の距離が近いので、喜んでいる選手の隣で、点を取られて悔しがっている、落ち込んでいる選手も入った写真が撮れます。1枚の写真の中にドラマがある。そこも魅力だと思います。落ち込んでいる選手の写真は、チームはあまり欲しくないみたいですが(笑)。
 鈴田 そうでしょうね(笑)。
歯の大切さ市民にもっと広めよう
 鈴田 スポーツ選手にとって歯は非常に大切です。歯科医師としてもチームに貢献されていますね。
 大角 歯科治療を行ったり、マウスピースを作ったりと選手を支援しています。チームドクターに歯科医師も入り、定期的に検診をすることが今後大切になってくるのではないかと思います。
 よく噛んで、食事が十分にできなければ、必要な栄養もとることができません。かみ合わせの改善がパフォーマンスの向上につながることも明らかです。ただ、プロのスポーツ選手の噛み合わせを改善するのは気をつけなければならない面もあります。すごいシュートを決める選手の歯を矯正したら、シュートが入らなくなってしまった、という話も聞いています。バランスの崩れた状況で力が発揮できているものを、われわれの考えるバランスの取れた状態にしてしまうとダメな場合もあるようです。
 鈴田 少し噛み合わせをさわっただけで、パフォーマンスが大きく変わってしまうこともあるのですね。先生の今後の夢を教えてください。
 大角 スポーツを通して市民の方に歯科の大切さ、予防の大切さなどを啓発できたらと考えています。プロのスポーツ選手は象徴的存在です。五郎丸歩選手が出てきてラグビーが広まり、錦織圭選手が出てきてテニス人口が増えました。私がサポートしている選手たちがもっと有名になって、日々の歯のケアはこういう風にしているなど啓発してくれれば、それが歯科医療を見直すきっかけになるのではと思っています。協会はラジオ番組で医療情報を発信していますが、このような取り組みを強めてほしいと思います。
 鈴田 最後に、ご自身でもフットサルをされるとのことですが、プレーする際の魅力は何でしょうか。
 大角 体を動かすことはもちろん楽しいですが、どうやったら勝てるかをチームメイト全員で考えて試合をするのは楽しいですね。フットサルはサッカーよりもプレーヤーが少ないので、今どこに誰がいるかとか、どうやって攻めようかとか、チーム内でうまく意思疎通ができます。チームで立てた戦略をいろいろ試すことが楽しいです。戦略を立てることは写真を撮影する際にも役に立ちます。もっとフットサルの競技人口が増えるとともに、プロにあこがれ、試合を観に来る人も増えてほしいです。
 鈴田 オリンピックもありますし、スポーツ全体がもっと盛り上がってほしいですね。本日はありがとうございました。
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