2016年10月25日（1828号） ピックアップニュース
燭心
オートファジーの研究で東京工業大の大隈良典栄誉教授がノーベル賞受賞。名誉なことで敬意を表す。山中京大教授のiPS細胞と同じで、アルツハイマー病・パーキンソン病等の治療や新薬開発につながると新聞で大きく報道された。しかし新発見がすぐに現実の技術と結びつくと思わせると大間違い。成果主義？研究における国策の劣化だ▼原子力規制委員会が原発廃炉で出る放射性廃棄物の処分方針を8月31日に決定。高濃度廃棄物（L1）は安定した地下70m以上に埋蔵、電力会社が3百〜4百年管理した後、国が10万年管理する。10万年昔は人類がアフリカ大陸から移動し始めた時と聞く。この無神経さと無責任。原子力政策の劣化▼9月26日開始の臨時国会、首相の所信表明演説。煽った首相もさることながら、呼応した議員たちの顔。某国家の将軍様への対応に重なる。小選挙区制度のもと、党公認と選挙資金欲しさの保身か。国会議員の劣化▼国会審議とその中継は、選挙争点にならなかったことを論議し少数意見も傾聴するためにある。しかし現実は政府・与党が聞く耳を持たない態度に終始。真摯に論議どころか全く論争になっていない。米国大統領選のディベートとも重なる。国民をないがしろにする、国会機能の劣化▼私たちは立憲主義を守り安保関連法廃止に向け闘っている。決して劣化させてはならないもの、それは日本国憲法だ。人権を守り、平和を守るかけがえのない宝物である。（無）
