兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年2月25日(1838号) ピックアップニュース

地域医療を考える懇談会in加古川
在宅での終末期を多職種でどう支えるか

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在宅の終末期ケアのあり方について3人が話題提供した

 地域医療部と加古川・高砂支部は2月5日、第33回地域医療を考える懇談会を加古川市内で開催し、医師、歯科医師、介護士やケアマネジャーら68人が参加した。
 「地域包括ケアと多職種連携〜在宅での終末期をささえる取組みから〜」をテーマに、加古川市・西村医院院長の西村正二先生、高砂市・三木医院院長の三木健史先生、地域包括支援センターかこがわ西・社会福祉士の坂本明氏がそれぞれ報告を行った。
 西村先生は、在宅で終末期を支えるためには、患者が抱える身体的・精神的・社会的苦痛、さらに死生観に関わる「スピリチュアルペイン」を含めた全人的苦痛のケアと、家族介護者の精神的サポートが重要であるとした。そして、地域社会の理解が必要であるとして、市民向けの演劇を企画するなど、地域での取り組みを紹介した。
 三木先生は認知症患者の緩和ケアについて報告。認知症は個々人で多様性があり、多職種による連携や、家族への支援を含めた包括的支援が重要であると訴えた。
 坂本氏は加古川における地域包括支援センターの取り組みについて報告。「ふれあいいきいきサロン」「あさがおカフェ」など、地域と関係づくりを行っている事例を紹介した。
 参加者からは「高齢化が進む中、助け合いの精神だけでは地域社会は成り立たない」「担い手となる介護者の生活向上のために、介護報酬のアップを政府に求めるとともに、患者負担増に反対の声をあげなければ」といった意見が出された。
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