兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年5月25日(1846号) ピックアップニュース

学校歯科治療調査 結果詳細
口腔崩壊の子ども「いる」35%

 協会歯科部会が兵庫県内の小中高等学校・特別支援学校を対象に実施した学校歯科治療調査で、歯科受診が必要な子どものうち65%が未治療の状態にあり、口腔崩壊の子どもがいる学校は35.4%にのぼることが明らかになった(前号既報)。結果の詳細を掲載する。

 この調査は学校歯科検診を受け、要受診の診断を受けた子どもの受診動向や、口腔崩壊の実態、学校での歯科保健指導の状況などをつかむ目的で実施したもの。
 県内すべての公・私立小中高等学校・特別支援学校1409校を対象に、3月1日から31日までの期間に実施。アンケート用紙を郵送で送付し、各校の養護教諭からFAXまたは郵送で回答を得た。回答数は274校(小学校129校、中学校58校、高校72校、特別支援学校15校)、回答率は19.4%だった(表1)。
要受診でも3人に1人しか受診せず
 県内の学校で2016年度に「学校歯科検診を受けた児童・生徒数」と、そのうち「要受診と診断された児童・生徒数」、要受診のうちで「歯科を受診した児童・生徒数」を尋ねた(表2)。
 回答があった274校で、学校歯科検診を受けた生徒は11万415人。そのうち31.6%にあたる3万4869人が歯科医療機関の受診が必要と診断された。しかし、この中で歯科医療機関を受診したのは、わずか35%の1万2209人だった。未受診率は、実に65%にのぼる。
 学校別の特徴では、未受診率が小学校46%、中学校64%、高校84%と学年が上がるごとに高くなる傾向があり、特別支援学校では要受診率41.4%、未受診率62%といずれも高めになっている。
 公立学校と私立学校を比較すると、要受診率は公立32.7%に対し私立22.3%と公立が10ポイント高いが、未受診率は公立64.3%、私立72.0%と逆転する(ただし、小学校、中学校では私立の方が、未受診率が低く、高校では私立の方が高い)(表3)。
口腔崩壊の子ども県内で推計1900人
 「2016年度の学校歯科検診で、口腔内が崩壊状態(一人で、むし歯が10本以上ある、歯の根しか残っていないような未処置歯が何本もあるなど咀嚼が困難な状態)と見られる児童がいましたか」との問いに、35.4%の学校が「いた」と回答した。
 「いた」との回答があった97校において、口腔崩壊児童・生徒数は、計346人にのぼった(表4)。推計すると県内(2016年度生徒総数60万2813人)で、1900人近くの子どもが口腔崩壊に陥っているとみられる。
背景に厳しい家庭状況
 「口腔崩壊の児童・生徒が『いる』場合、その児童の家庭状況などについて、可能な範囲でお答えください(複数回答可)」と尋ねた。
 特徴は「保護者の子の健康への理解不足」(33.0%)とともに、「ひとり親家庭」(37.1%)、「経済的困難(低所得・生保・就援など)」(32.0%)、「共働き」(23.7%)など、厳しい家庭状況が伺える(表5)。
学校での歯科保健指導「していない」16.8%
 「学校で実施している歯科保健指導についてお答えください(複数回答可)」については、「歯みがき」62.0%、「食生活」38.3%、「フッ化物」2.2%、「その他」29.2%だったが、「していない」との回答が16.8%あった(表6)。

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