兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年6月25日(1849号) ピックアップニュース

診療報酬引き上げ堂々と要求しよう
第49回総会を開催

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参加者は社会保障の拡充で、貧困と格差の是正を求めるなどとする新年度方針案等を承認した

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最先端のがん治療である分子標的薬について講演する酒井敏行教授

酒井敏行 京都府立医科大学大学院 分子標的癌予防医学教授 が記念講演
 患者負担増計画は中止し、診療報酬の不合理は是正を−−。協会は6月18日に第49回総会をチサンホテル神戸で開催し、会員ら130人が参加。2016年度会務報告と2017年度方針案、予算案および協会新役員を承認した。(次々号に詳報を掲載予定)

 西山裕康理事長はあいさつで「政府・与党は社会保障費の増加を国家財政上の問題としており、国民負担抑制を口実にした診療報酬引き下げを要求している。しかし、2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定での引き上げは医療従事者300万人の願いであり、堂々と引き上げを要求したい。税・保険料の応能負担の徹底で財源を確保すれば、欧州諸国のように社会保障拡充と経済成長は両立できることは明らかだ。政府による医療費亡国論などは払拭しなければならない」と訴えた。
 武村義人副理事長が5月の評議員会で承認された、会務報告と方針案を提案。方針案では、社会保障拡充と憲法・平和・民主主義を守る政治をめざし、署名などで患者負担増反対の取り組みを強め、「会員の期待に応え、頼りになる協会」となるよう努めることなどが確認された。
 討論では、診療報酬・介護報酬同時改定対策や組織拡大、学校歯科治療調査、国会要請行動、震災によるアスベスト飛散問題、核兵器廃絶運動について、6人が発言した。
 最後に医療・介護利用者負担増計画をやめ社会保障費を引き上げ、診療報酬の不合理是正を行うこと、消費税増税を中止し、医療機関の控除対象外消費税問題を抜本的に解決することなどを求める決議を採択した。
 記念講演では、京都府立医科大学大学院医学研究科分子標的癌予防医学教授の酒井敏行先生が、「がん治療最前線 分子標的薬トラメチニブの発見」と題して講演。旧来の抗がん剤と比較して、メラノーマ患者における奏功率が画期的に改善したMEK阻害剤トラメチニブについて語った。
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