兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2017年10月15日(1859号) ピックアップニュース

燭心

 先日、久しぶりに海釣りに出かけた。家から原付で5分の河口が私の定番スポットだ。以前はテトラポッドでも釣りをしたが、「60代医師、テトラで脳挫傷」の記事が浮かび断念した▼私は「エビ撒き釣り」一筋である。波止から5m強の竿を用いたウキ釣りで、メインターゲットはチヌとハネ(スズキの若魚)。生きたシラサエビを撒きながら魚を寄せ、同じくシラサエビを餌にする▼このエビが激減し、釣りから足が遠のいた。水生生物の貿易体制の見直しのためこのエビの輸入が許可制となったからである。税関で12時間以上の検査が必要で、エビが半数以上死んでしまうため、業者は採算が取れず撤退した。許可制の導入は、輸入シラサエビによって、琵琶湖産食用シラサエビに病気をもたらし、国内の養殖産業に悪影響を及ぼす恐れがあるためとされている。グローバリズムの見直しが、私の趣味にも影響したのである▼以前はまだ真っ暗な朝4時から診療前の7時過ぎまで、多い時で週に3〜4日釣行した。前日の夜は、遠足のようにワクワクして寝付けなかったが、最近は「潮が悪い」「雨が強い」「風向きが悪い」などと行けない(行かない)理由を探す体たらくぶりである▼私の理想は、自宅の窓から釣りができる環境である。幸い、診療所の前に小さな川があるが、生活排水が主である。息子は、そこを運河にする公約で選挙に出れば、という。趣味を変えるか選挙に出るか、悩んでいる(空)
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