兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年3月15日(1872号) ピックアップニュース

燭心

 小説「白い巨塔」に2人の対照的な人物が登場する。立場は共通性があるが、性格が全く異なる。それぞれ、外科助教授・財前五郎と、内科助教授・里見脩二であるが、前者は自己顕示欲が強く、教授になるためには手段を選ばず、権謀術数をめぐらし、反道徳的な行為でも結果が良ければ正当化されると思う人物、対する里見は、全く逆の性格で、謙虚で、誠実で要領の悪い人物として描かれている▼同時代に対照的な人物が実在すると、歴史小説の格好の 題材 ねた になる。「項羽と劉邦」「 張九齢 ちょうきゅうれい 李林甫 りりんぽ 」、本邦では「義経と頼朝」等々、日本人は 判官贔屓 ほうがんびいき という弱い方に味方する傾向がある▼唐の時代、科挙に合格した張九齢は名声を追わず富を絶ち、朝廷に廉恥の心を知らせ、開元の世を盛んにした賢相であったが、それに対して李林甫は玄宗皇帝に おも ね、張九齢を失脚させて、後に安史の乱を招いた。張九齢は公憤に決起する前川次官と類似している▼安倍「皇帝」を取り巻く人物には「前川」vs「佐川」、お喋り男「籠池」vs沈黙している安倍の悪友「加計」。籠池は、口封じのため拘留中。一方の加計は、秘密を守って獣医学部を公金で作らせた。「安倍皇帝」の周りには、NHK大河ドラマのごとく、昭恵夫人を含め個性的な人物が 蝟集 いしゅう している。森友版安倍茶番劇は「詐川」なる大根役者が本当のことを早く白状したら終了する。その方が詐川本人にとって、彼の家族にとって、安倍暴走内閣を終了させて天下万民のためになる(鼻)
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