兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年3月25日(1873号) ピックアップニュース

燭心

日本のマグロ消費量は世界の4分の1に達し、資源枯渇と価格上昇が懸念される。そんなマグロの価格が暴落した時がある。「原爆マグロ」である▼64年前の3月1日、米国によるマーシャル諸島ビキニ環礁での水爆実験で、多数の日本漁船が被災。水揚げされたマグロは廃棄され築地に埋められたとか。子どものころ〝雨に濡れたら髪が抜ける〟という噂のかすかな記憶がある。〝ビキニ〟は衝撃的という形容詞として水着に冠された。ゴジラも安住の地を奪われたと出現。核兵器に反対する女性の運動団体「母親大会連絡会」も誕生。同年日本は初の原子力予算を成立させた▼7年前の3月11日、あの東日本大震災・福島第一原発事故が起きた。震災も大変だが、放射能汚染、事故原発の処理は見通しすら立たず。例え処理できても高濃度廃棄物は10万年、国が管理? 冗談ではない。原発による電力は安価でないことは明白、被災地の真の復興を願う▼43年前の3月18日「非核神戸方式」が神戸市議会の全会派一致で採択された。それまで神戸港は米軍基地があり、米兵が三宮界隈を闊歩、ベトナム戦争休戦時のクリスマスにはトラブルが多発。「静かなクリスマスを」とクリスマス闘争が起こり、基地の撤廃と核持ち込み禁止の「非核神戸方式」が実現した▼原爆、原発はもともと表裏一体。原子力の〝平和利用〟と言うが、原発から生まれるプルトニウムは原爆の材料となる。平和、安全、地球環境において私たちと決して共存できない(無)
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