兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年4月05日(1874号) ピックアップニュース

2018年度診療報酬・介護報酬改定 研究会が好評
県下27会場に3700人

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参加者はメモをとるなどして新点数の要点を学んだ(3月24日、神戸会場)

 協会は、3月18日から県下各地で、診療報酬・介護報酬改定研究会を開催。医科は15会場に医師、スタッフら2568人、歯科は9会場に歯科医師ら974人、介護は3会場に198人、合計3740人(4月2日現在)がつめかけた。研究会では診療報酬を引き上げ、安心・安全の医療拡充と医療従事者の待遇改善を求める決議を採択した。

 研究会の冒頭では協会役員が診療報酬をめぐる情勢について報告。安心・安全の医療のためには、看護師、歯科衛生士、スタッフなど医療従事者の給与の原資となる診療報酬引き上げが重要であり、政府の財政赤字の最大の要因は社会保障費増ではなく法人減税などによる税収減であるなどとし、診療報酬の大幅引き上げと患者窓口負担の引き下げが重要だと解説。参加者に「診療報酬改善と大幅引き上げを求める要請書」への署名協力を訴え、全体で1149筆が集まった。
 各支部・歯科部会役員が講師を務め、医科では「機能強化加算」などのかかりつけ医機能の強化、オンライン診療の導入、入院基本料の再編と要件の厳格化、在宅復帰機能強化加算の要件の引き上げなどの改定内容のポイントを解説。参加者は、マーカーをひく、付箋をはるなどして、熱心に耳を傾けた。会場からはオンライン診療に必要な通信機器の例などの質問も寄せられた。
歯科基本診療料の格差に抗議
 歯科では今次改定で「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の施設基準の強化や訪問歯科衛生指導料などへの「単一建物」の考え方の導入がなされた。とりわけ、基本診療料に院内感染防止対策が新たな施設基準として設けられ、届出を行わない歯科医療機関の初再診料が引き下げられた。
 基本診療料に格差をつけることは診療報酬のあり方を歪める暴挙であるとして、協会は全ての歯科医療機関が必要な安全対策を十分に行えるよう、条件抜きの基本診療料の引き上げと独立した感染防止対策の評価を強く求める抗議声明を、3月14日に発表している。
「診療報酬改善を」1149筆
 「診療報酬改善と大幅引き上げを求める要請書」に寄せられた声を紹介する。
・いつまで抑制を続けるのか。診療報酬を増加させて病院経営をもっと楽にできるようにしてほしい。現状ではすべての病院職員の給与を上げることは難しい。病院が赤字でまともな医療は困難となり、勤務医の昇給・ボーナス・退職金もないのが現状。診療報酬を上げてくれ!
(西宮会場・医師)
・在宅医療の点数を見直していただきたい。2年前の改定時より医院収入は大幅に下がったが、診療内容や施設スタッフ、患者家族の要望は増え続け、それに応えるための業務が増えているにも関わらず、収入減のため職員に支給される賞与などにも大きく影響が出ています。
(神戸会場・事務)
・機器の購入をする余裕がない。診療に集中したい!
(加古川会場・歯科医師)
・スタッフ不足のため有給休暇が取れない。
(神戸会場・事務)
・初再診料を引き上げて、歯科医療機関の感染防止対策を充実させてください。
(明石会場・歯科医師)
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