兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年9月05日(1887号) ピックアップニュース

燭心

 西日本豪雨の日、保団連セミナー出席のため上京したが、当日は豪雨で山陽新幹線は運休。何とか東海道新幹線で東京駅に3時間遅れで辿り着いたが、駅からタクシーで会場に向かう時、驚いたことにタクシー運転手は広島・岡山の未曾有の大雨、洪水について何も知らなかった。当日、東京は晴天であった。堺屋太一氏は人口最大の都市にその国の首都を置くのは、情報が首都中心になり地方からの情報がないがしろにされたり、無視されたりすると語っていた▼広島県で多数の死者、行方不明者が次々と出ているのに安倍内閣にとってまるで他人事、多くの国民が家を失い家族を亡くしているのに同時期、閣僚を集めて赤坂「自民亭」にて酒宴が催された。安倍首相にとって、国民の生命財産以上に大事なのは自らの保身である▼世界の多くの国は人口の最も多い都市を首都にしていない。ワシントン(ニューヨーク)、北京(上海)、オタワ(トロント)、キャンベラ(シドニー)、ベルン(チューリッヒ)、デリー(ムンバイ)、アンカラ(イスタンブール)等、歴史的な理由、多民族国家であるため、いずれにしても政治、経済、文化の一極集中は均衡ある国家ではない▼江戸時代は、政治は江戸、経済は大坂、文化は京というバランスが取れていたので安定していた。富や権力が一極集中すると社会が不安定となる。自民党総裁選で安倍一極独裁にならないことを望む。人間の首は一つであるが、首都と首相の一極集中は民主主義国では好ましくない(鼻)
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