兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2018年9月25日(1889号) ピックアップニュース

燭心

 翁長雄志沖縄県知事が逝った。今年の4月に膵臓がんが発見されてわずか4カ月、67歳での早世だった。その若さもさることながら、基地問題をはじめ沖縄が直面する理不尽な多くの課題に真正面から対峙してきた主役の突然の死は、オール沖縄には大きな落胆となったことだろう▼これまで政権は、徹底して沖縄をいじめ続けた。上京した知事との面会を拒否し、政府の意に沿わない自治体には予算面でのあからさまな減額査定を実施するなど、小さな虫を虐待するような幼児性を臆面もなくさらす総理には震撼さえ覚える。ただ、このような仕打ちに異を唱える者が側近の中に誰もいないということにはさらに大きな違和感を持たざるを得ない。「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」という口先だけの言葉は首相の常套句だ▼巧みな言葉を用いて表をとりつくろい人に気に入られようとする者には仁の心が欠けているという。保育、自衛隊、拉致問題しかり。「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」とはまさに彼のためにある▼地域振興と基地問題は本来別々に議論されるべきであるにもかかわらず、双方が両立しないものとしてとらえられてしまうほど沖縄は追い込まれている。長年にわたって過酷な選択を迫られてきた沖縄が、また大きな岐路に立たされる。急きょ前倒しになった選挙に対する準備不足は双方同じだ。この選挙は決して沖縄だけの戦いではない。翁長さんの魂の叫びに私たちも敏感に反応したい。(九)
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