兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2019年4月15日(1907号) ピックアップニュース

兵庫県保健医療計画(圏域版)
協会の意見受け県が計画を一部修正

 協会は、兵庫県が実施した保健医療計画(圏域版)についてのパブリックコメントに対し意見を提出した(2月5日付で報道)。県は寄せられた県民の意見を受け、計画を一部修正し最終決定した。協会の意見に兵庫県はどう回答し、どのように保健医療計画に反映したのか。一部を紹介する。

 三田市域における、丹波圏域や神戸市北区域、西宮市北部などを合わせた新たな地域設定について協会は、「二次医療圏内での医療提供体制の整備を推進せず、現状を追認する形での圏域設定は、そもそも地域医療計画策定の趣旨から外れる」と指摘した。これに対し県は「二次医療圏は、単独ですべての医療を完結することを目指すものではありません」と、元来の二次医療圏を無視し、新たな圏域の設定を強行する姿勢を見せた。
 三田市民病院と済生会兵庫県病院の統合については、県は「地域医療ニーズを把握することが重要であることから、地域の医療提供体制の確保のため、地域医療構想に基づく地域医療構想調整会議においても協議することとしています」と回答。しかし、地域医療構想調整会議には住民代表として自治会連絡協議会と婦人団体協議会しか参加しておらず、十分に住民の意見に耳を傾けるものとは言えない。
 小児科医療について、民間病院への支援を強化するとともに、国に対し小児医療の充実のために医師養成数の拡大と診療報酬上の適正評価を求めるとの協会の意見に対しては「公立病院が担う小児医療に配慮した交付税措置、小児科を含む診療科偏在対策を国に提案しています。県の支援、民間への支援については、小児二次救急輪番の運営に必要な給与費を補助しており、引き続き支援します」と回答した。
 西播磨準圏域で地域周産期母子医療センターを整備すべきという意見に対しては、「ご意見を反映し、...公立宍粟総合病院が周産期医療協力病院に指定されたことを追記...今後は地域周産期母子医療センターの設置をめざしていきたい」と原案を修正した。
 高度・先進医療について、安全性と有効性が確立された医薬品や医療技術は保険収載を国に求めるべきとの協会の意見に対しては「安全性と有効性を担保しつつ...早期の保険収載を国に要望してまいりたい」と回答した。
 今後も協会は、社会保障の拡充を求めて、県の計画に対して意見を発信していく。
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