兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2019年6月25日(1913号) ピックアップニュース

第51回(設立50周年)総会を開催
次の半世紀へ歩み進める

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記念講演では二木立日本福祉大学名誉教授が国民皆保険制度の展望を語り、204人が参加した

 協会は6月16日、神戸ポートピアホテルにて設立50周年となる第51回総会を開催。会員、来賓、家族、スタッフなど合わせて320人が出席した。参加者らは協会の半世紀の歩みを振り返るとともに、さらなる発展をめざすことを確認した(次号詳報予定)。

 西山裕康理事長は開会あいさつで、50年間の社会保障制度について振り返り、1980年代の構造改革路線以後、とりわけ平成の30年間は、消費税の導入と増税、社会保障削減の30年だったとした。そして、今必要な政治は、社会保障を充実させ、将来不安を一掃して消費を拡大させ、経済成長により社会保障財源を確保する好循環をつくり出すことだと訴えた。そして、協会会員数が7520人と過去最高となったことに、感謝の意を示すとともに、すべての会員と国民のために、医療の充実をめざして努力したいと決意を述べた。
 続いて、武村義人副理事長が5月の評議員会で承認された、会務報告と方針案を提案。方針案では、新たな患者負担増に反対し、医療費の総枠拡大をめざすとともに、憲法と平和を守る政治への転換に力を尽くすとし、引き続き「頼りになり、役立つ協会」となるよう活動を進めると提案した。
 討論では、「保険でより良い歯科医療」を求める運動や改憲反対と核廃絶運動、診療報酬・改定対策等について、5人が発言した。
 最後に応能負担の原則による社会保障の拡充、消費税増税の中止、保険でより良い歯科医療の実現へ向け歯科保険適用範囲を拡大することなどを求める決議を採択した。
 役員改選では、西山理事長の再任をはじめ、評議員会で選出された新役員を承認した。
記念講演
高齢社会危機論は誤り
 記念講演では、日本福祉大学名誉教授の二木立先生が、「今後の超高齢・少子社会と国民皆保険制度の財源選択」のテーマで講演した。
 二木先生は社会の扶養負担について、現役世代によって扶養される人口には高齢者だけでなく未成年者も含まれるため、現在も、2025年も、2040年もほとんど変わらないとの指摘を紹介。そして、今後、生産年齢人口が減少しても、女性と高齢者の就業率の上昇およびICT等の導入による労働生産性向上が実現すれば、1人当たりGDPは着実に増加し、日本社会は十分に維持可能であると述べた。さらに、日本の最近の医療費水準の急増は統計に長期ケア費用が含まれるようになったためであり、人口高齢化の影響を補正した日本の実質医療費はまだ低水準であると述べた。
 続いて、二木先生は国民皆保険制度の財源選択について、主財源は社会保険料とした上で、消費税について「社会保障の機能強化」のための重要財源だが、国民の間では消費税に対する「租税抵抗」が非常に強いことを考えると、租税財源を消費税のみに絞るのは危険であり、租税財源の多様化が必要だと述べた。
祝賀会
大学教授・病院長ら各界から来賓
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次の半世紀へ協会活動をさらに盛り上げるためがんばろうと声を上げた

 協会設立50周年祝賀会には、会員や家族らに加えて、神戸大学名誉教授・旧第一外科学教授の齋藤洋一先生、神戸大学副学長の杉村和朗先生をはじめ県下の病院院長や、盛山正仁衆議院議員ら現職国会議員5氏など各界からの来賓が出席し、半世紀を迎えた協会へ祝意を示した。
 祝賀会では、永きにわたり協会の発展に貢献した会員、職員、顧問弁護士、生命保険会社の表彰を行い、表彰者を代表して岡本好司理事と大樹生命保険株式会社常務執行役員の堀江智氏があいさつした。祝賀会では神戸大学医学部クラシック音楽愛好会と兵庫医科大学室内楽団有志によるステージ演奏なども披露され、参加者は交流を深めながら楽しいひと時を過ごした。

御礼 皆さまのご尽力に感謝
理事長  西山 裕康

 兵庫県保険医協会は50周年を迎え、6月16日、神戸ポートピアホテルにて第51回総会・設立50周年記念講演会並びに祝賀会を開催いたしました。
 記念講演会では、多方面から数多くの関係者にご参集いただき、活発な質疑応答が交わされました。その後の祝賀会では、ご多用の中300人を超える方々にご来席いただき、親睦を深める有意義な時間となりました。
 両会を盛会裏に終えましたことは、ご来賓の方々の身に余るご厚意並びに会員の皆様の不断のご理解、ご協力の賜物と感謝申し上げます。今回ご参加が叶わなかった方々とともに、改めてこの慶事を喜びたいと思います。
 先達諸氏のこれまでのご尽力に深く感謝するとともに、新たな50年に向け、役職員一同協会の充実と発展にいっそう努めていく所存ですので、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願いいたします。
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