兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2019年8月25日(1918号) ピックアップニュース

談話 参議院選挙結果について
医療改悪を許さない取り組みへのご協力を 政策部長  加藤 擁一

1918_06.jpg 7月21日に行われた第25回参議院選挙は、前回より定数3増の124議席が争われた。自公両党は71議席を獲得、非改選議席と合わせて引き続き過半数を確保したが、改選前より7議席減らした。立憲民主党など4野党1会派は、32の全1人区で野党共闘を行い候補者を一本化、10議席を獲得し、改選前より8議席を増やし善戦した。消費税引き下げを正面に掲げた〝れいわ新選組〟の健闘も、特筆すべきである。
 安倍首相は改憲を主要争点としていたが、自公両党に、改憲に積極的な維新の会や一部無所属議員を加えた〝改憲派〟は、改憲の発議に必要な、3分の2を割った。性急な改憲に反対する民意の表れである。〝憲法を守り、憲法どおりの国づくりをめざすこと〟を開業保険医の重点要求の一つとして掲げた私たちとしては、これを歓迎するとともに、安倍首相には9条をはじめとする改憲を断念するよう強く求める。
 一方、今回の投票率は50%を割り込み、過去2番目に低い数字となった。日本の民主主義にとって憂慮すべき事態である。さまざまな原因が指摘されているが、通常国会後半において、野党の予算委員会開催要求を拒否するなど、選挙戦の争点論争から逃げた、安倍首相の姿勢に大きな要因があると指摘したい。また、改憲・消費税・社会保障など、さまざまな争点を報道するマスコミにも、一考を要請したい。多くの国民が政治に無力感を抱き、選挙に無関心になることほど、恐ろしいことはない。
 参院選後、医療・社会保障の改悪計画が目白押しである。75歳以上の窓口負担2割化や、市販品類似薬の保険外しなどが計画され、国民皆保険制度を形骸化させる恐れのある日米FTA交渉が始まる。消費税増税で、国民の暮らしと医院経営がさらに悪化することも危惧される。秋の新国会に向けて、国民医療を守る立場からこれらの改悪に反対運動を強めるとともに、来春の診療報酬改定でも、前進を勝ち取っていきたい。署名運動や国会行動など、会員の先生方のさらなるご協力をお願いしたい。
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