兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2020年2月15日(1933号) ピックアップニュース

燭心

 思わず、「うまい!」とつぶやいてしまった。「これは招待ではなく募集ですね」という野党議員の追及に、「募ってはいるが募集したつもりはない」と答えた瞬間だ。安倍首相のごはん論法はますます磨きがかかっている▼この日も「桜を見る会」で、安倍首相につながる多くの人たちが、精査されないまま推薦され、過去を大幅に上回る数の人々が参加することになったのは、実は招待したのではなく安倍事務所が幅広く募集をかけたことによるものだと指弾されたにもかかわらず、意味不明の迷言で失笑を買い、知性の低さをアピールすることで、質問の本質を巧妙にはぐらかすことに成功した。質問者も皮肉をこめたコメントを返すだけで、重ねての追求もないまま次の質問に移ってしまった。この勝負は安倍首相の勝ちだろう▼このところの国会中継は見るに堪えない。答える側もさることながら質問する側に無力感や迫力のなさを感じることも理由の一つだ。漢字の読みや言葉の使用方法の誤りについて揶揄しながら面白おかしく笑って終わるのでは、相手の術中にはまっていると言わざるを得ない▼「捜査中のため答弁を差し控える」とか「事前質問の提出がないため答えない」などという発言をいつまで許すのか。現政権を「不治の病だが死ぬことはない」状況に留まらせている主体は、京都市長選において特定政党を名指ししてNO!という粗悪な広告を出した候補者にNO!を突き付けられない市民・国民にあることを痛感する(九)
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