兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2020年4月05日(1938号) ピックアップニュース

新型コロナウイルス感染症に対する医療機関の対応方針の確立を求めます

 兵庫県下の医療機関などで新型コロナウイルスの感染が拡大している事態を受け、協会は3月28日に下記要望書を採択し、関係機関に送付した。以下に全文を掲載する。

2020年3月28日
厚生労働大臣 加藤勝信 様
兵庫県知事  井戸敏三 様
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議座長  脇田隆字 様
兵庫県新型コロナウイルス感染症対策協議会座長 荒川創一 様
新型コロナウイルス感染症に対する医療機関の対応方針の確立を求めます
兵庫県保険医協会
第1109回理事会
拝啓 貴職におかれましては、新型コロナウイルス感染症対策にご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、兵庫県下では3月26日現在、119人の新型コロナウイルス感染者が確認されております。また、そのうち少なくない感染者が医療機関の入院患者や職員、医療法人の運営する介護施設入居者、職員などです。
 この影響で県内の4病院が外来を休止するなど、県下の医療提供体制の一部が縮小しています。感染患者を診察したことを理由に休診をしている無床診療所もあります。
 また、入院患者が感染した病院では、その病院の通院患者や職員らが他医療機関で診察や薬局で処方を拒否される事例が報告されています。タクシーの乗車拒否や家族が勤務先から出勤停止を命じられたりする例もあります。感染患者を診察した無床診療所でも、院長への無言電話やインターネット上での誹謗中傷などが起こっています。
 この状況を放置すれば、予防的な外来患者受け入れ停止など医療提供の萎縮が起こり、今後更なる感染拡大が起こった場合、十分な医療提供体制を確保できない可能性があります。また、診療制限が必要であっても経済的補償がない現状では、多くの医療機関の経営が危機に晒されることになりかねません。さらに、感染者の周辺の感染していない医療従事者や患者、その家族などを含む多くの市民が日常生活上の困難を強いられることになります。
 この背景には、歯科も含めた医療機関の職員、患者等が新型コロナウイルスに感染した際の対応のあり方が明確に示されていないという課題があります。
 つきましては、下記の項目についてご教示いただきたく要望いたします。
敬具
(1) 「濃厚接触」の定義をより明確にしてください。
(2) 病院において、規模や体制ごと、職種ごとに患者に新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応指針を示してください。
(3) 病院において、規模や体制ごと、職種ごとに職員に新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応指針を示してください。
(4) 歯科を含む診療所において、患者に新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応指針を示してください。
(5) 歯科を含む診療所において、職員に新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応指針を示してください。
以上
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