兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2020年9月15日(1952号) ピックアップニュース

「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会
県へ要請 歯科技工所への経営保障を

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加藤歯科部会長(左)と雨松歯科技工士(右)が元佐兵庫県医務課長にコロナ禍への対応拡充を要請

 協会も参加する「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会は9月2日、新型コロナウイルス感染症に伴う、歯科技工所の厳しい状況を県に伝え、医療機関従事者等への「慰労金」の対象を技工所まで拡大する旨の要請行動を実施した。「連絡会」の世話人を務める加藤擁一歯科部会長、雨松真希人・歯科技工士(「保険で良い歯科医療を」全国連絡会会長)が参加。県側は元佐龍医務課長が応対した。

 加藤部会長は冒頭で「新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関や介護施設の職員らに支給する慰労金について、感染者を直接受け入れていない施設でも一定の感染防止対策を行っていれば1人当たり5万円が支払われたが、歯科医療を担う歯科技工所が慰労金の対象から漏れていることは遺憾。県民医療を守る立場から再考してほしい」と訴えた。
 また雨松氏は「歯科医療機関が患者減にあえいでいる中、歯科技工の発注も大幅に落ち込んでいる。技工士の7~8割は院外の技工所で働き、その8割は個人事業主だ。ただでさえ脆弱な経営体が危機に瀕している。技工所の経営が立ち行かなくなれば、ひいては県民の健康状態をも左右しかねない」と現状を説明。対応策として「(独)福祉医療機構が運営する長期・固定・低利の『福祉医療貸付制度』について、技工所が対象になるよう、拡充を国に求めてほしい。また、医療機関と密接不可分であるが、なかなか声が上げられない技工所の現状を踏まえ、実態に即した施策について県独自で検討を」と訴えた。
 元佐課長は「技工所がないと歯科医療が立ち行かないことはよく承知している。現在の慰労金制度のスキームでは、県側の裁量には限度があるが、今後国から意見を求められた際などに大いに参考にさせてもらいたい。また、貸付制度は検討の余地があるのではないか」と応じた。
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