兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2020年11月05日(1957号) ピックアップニュース

燭心

 最近頓珍漢なものが多いと感じる。まずは安倍政権以降の政治である。特に新型コロナ対策。医療機関は、政府のミスリードによる患者減や風評被害で大幅な収入減に陥った。国はその対策として、給付金や制度融資で助けてやろうという。確かに一法ではあるが、十分に活用できない情報弱者もいる。残念なことに早々と廃院を決めた先輩方もいる。われわれがこれまで通りにやって行ける方法。それこそ協会が求める診療報酬の概算払いであろう。昨年と同じ収入なら誰も困らない。新たな借金をすることもなく、持続可能である。保険者も国も本来予定内の支出であるし、他のどの対策より財政に与える影響は少ない▼GoToキャンペーンも頓珍漢である。一時的で、偏った恩恵しか与えない。藤井聡京大教授が言うように消費税を引き下げた方が確実である。いっそ廃止しても良い。消費税がなくなれば、税金分が消費に回るから、消費は10%膨らむ。それだけでは止まらない。消費増加の効果は次々に日本全土へと波及する。効果はGoToキャンペーンの比ではないだろう▼世論も移ろいやすい。明らかに悪い政治を批判しない。モリカケ問題も、桜を見る会も、忘却の彼方である。自分たちの税金が使われているのだと憤らない▼極め付きが大阪都構想である。先人が勝ち取った、都道府県並みの権限を有する「政令市」という権利を放棄するためにわざわざ住民投票をやったのだ。頓珍漢な政治で、今夜の酒は不味くなりそうだ(酔)
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