兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2021年2月05日(1964号) ピックアップニュース

燭心

 今年の節分は例年と異なり2月2日であった。節分は立春の前日であるが、これは、1年の始まりを、冬から春になる立春の日としていたためで、節分は今で言うところの大晦日のことである▼1日ずれるのは、1年が365日と6時間弱であるためらしい。4年に一度、うるう年として補正しているが、少しずれてしまうのである。紀元前のシーザー時代に、すでにこのことは分かっていたらしい。精密な機器もない時代、毎日毎日の観察の結果か、まさに驚異的である▼現実をよく観察せず、邪心でものを言うと、後々大変なことになるものである。東京オリンピック招致に関して「福島原発の汚染水はコントロール下にある」、コロナ禍では「GoToキャンペーンで感染が拡大したというエビデンスはない」と。いずれもわが国の政治の最高責任者の発言である▼コロナ禍は新自由主義の弊害を一気に露呈させた。イスラエルの歴史学者・ハラリ氏曰く、「敵はウイルスそのものでなく、我々の心に住む〝悪魔〟である」。強欲に儲けを求める新自由主義と決別し、新しい社会へ踏み出したい▼さて節分には、1300年も前より〝 追儺 ついな〟という鬼払いの儀式が行われている。今では、豆まきや恵方巻きとして定着しているが、今年は緊急事態のため「豆まき」が中止となったところが多かった。新型コロナウイルスはもちろんだが、対策が後手後手に回っているわが国の今の政治にも、思い切り力を込めて豆をぶっつけたいものである。(無)
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