兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

兵庫保険医新聞

2021年3月05日(1967号) ピックアップニュース

「75歳以上の窓口負担 2割へ引き上げ」国会審議へ
患者負担増中止へ国会にFAX署名を

1967_08.jpg

FAX署名に続々と返信が寄せられた

1967_09.gif ※クリックすると大きい画像がご覧いただけます。
 患者負担増計画が国会審議入りへ--。政府は2月5日、一定年収以上の75歳以上の窓口負担を1割から2割に引き上げることを盛り込んだ医療制度改革関連法案を閣議決定。開会中の通常国会での成立を狙っている。患者さんの命と健康を脅かす負担増阻止へ、FAX署名にご協力いただきたい。

スタッフにも呼びかけご署名の上で返送を
 政府は、現在開会中の通常国会で75歳以上の窓口負担引き上げ法案を審議し、3月中の成立を狙っている。
 協会は、新型コロナ禍の今、患者さんの窓口負担をこれ以上増やすことは受診抑制に拍車をかけ、患者さんの命と健康を脅かすものであり、決して許されないと、負担増阻止へさまざまな取り組みを進めてきた。これまで取り組んだ「医療・介護の負担増中止を求める」請願署名は、現在までに2万5千筆を超える署名が集まり、国会へ届けている。メディアでは、75歳以上の窓口負担引き上げがもう決まったかのような報道がなされているが、今後、反対の世論を大きくし、国会審議により法案成立をストップさせることは可能である。
 これらの情勢を受けて協会は、緊急FAX署名に取り組んで国会へ提出することを決定し、2月25・26日に医療機関宛に送信した。院長先生だけでなく、スタッフ、家族などにも呼びかけて署名を集めていただき、FAX078-393-1820まですぐにご返送をお願いしたい。
すでに署名された方も改めてご協力を
 返信されたFAX署名は、3月18日に国会へ提出する。すでに「ストップ!負担増」署名にご協力いただいている方も、改めてのご協力をお願いしたい。また、「ストップ負担増」署名が医院に残っている方は、あわせて提出を行うので、至急協会事務所までご返送いただきたい。
高齢者2割負担阻止へ
医療機関への減収補てん訴え
国会内集会、マスコミ懇談会
1967_11.jpg

メディアに医療機関の減収の実態を報告する武村副理事長

1967_10.jpg

集会でフロア発言する川西副理事長

 2月18日、75歳以上の医療費窓口負担2割化に反対する緊急集会が国会内で開かれ、武村義人・川西敏雄両副理事長が参加した。この集会は、菅政権が患者負担増を推し進めている情勢を踏まえ、保団連、全日本年金者組合、日本高齢期運動連絡会、中央社会保障推進協議会の4団体が共催したもの。
 ウェブを含め全国から163人が、また立憲民主党、日本共産党、国民民主党、社民党から国会議員12人が参加した。集会では参加者が、コロナ禍で困難を抱える医療現場や高齢者の実情を各党議員に訴え、75歳以上の窓口負担2倍化撤回を求める署名4万5385筆を提出し、全国での署名の累計は78万筆を超えた。
 集会で発言した川西副理事長は、コロナ禍での負担増が、高齢者の生活に大きな打撃を与えることを指摘。民間病院のコロナ患者受け入れの困難さや、医療機関への減収補てんの必要性などを訴えた。
 同日には保団連が、マスコミ懇談会を開催。朝日・読売・毎日の主要3社を含めた14社が参加した。武村副理事長が兵庫協会の緊急アンケートの内容を報告。アンケートで収入減と経費増が明確に表れていることを紹介し「新型コロナウイルス感染症拡大は、災害と捉えるべきであり、政府が医療機関に事業継続した以上、減収補てんを行うべきだ」と主張。憲法25条の下で非営利、公益医療を提供している日本の医療保険制度の仕組みからも「この要求は正当性を持っている」と重ねて訴えた。
バックナンバー 兵庫保険医新聞PDF 購読ご希望の方